内容説明
前代未聞!シャバでは聞けない永六輔の刑務所慰問講演集全国民に大公開。
目次
一房 一九八五年七月三十一日・笠松刑務所
二房 一九八六年十月三日・京都刑務所
三房 一九九二年十二月二十三日・沖縄刑務所
四房 一九九九年三月三十日・笠松刑務所
面接(吉田勇吉サンと;小森重三サンと;海渡雄一弁護士と)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
88
面白かった。約35年前くらいに出版された刑務所の慰問講演をまとめた本。刑務所には入ったことはないが、一般普通に暮らしてきたものにはやっぱり辛いようだ。最近は高齢化も進み中に入っていたほうがいいという老人も増えてきているらしい。本が書かれた時代は、入所者はみんな若かったと思う。刑務所にいて楽しみなのは、こんな講演会や慰問の歌謡ショーという。悪いことをしたので仕方はないが、人間やっぱり笑うというのは大事だと思う。若者の闇バイトが増えたのも、世の中がもっと笑えるような社会だったら減るのかも。2024/10/20
kinupon
71
本当の悪党に読ませたいですね。でも、そんな感性は持ち合わせてないでしょうね。2016/08/19
りんご
42
抜群に面白い。「講演」なんて硬い言葉は似合わない。トークが上手いってのは武器ですね。技術でどうにかできる部分はあるとは思うけど、やっぱ生き方とか、人に対する思いとか、そういうのが見えちゃう。人間が好きで、人生は楽しくて、みんなも気持ちよく生きて欲しいなって思ってるのがよくわかる。「長寿の会」のアイデアは笑ったね。会員は同世代で構成され、毎年正月を迎えると会費1万円を振り込む。会員500人いるからどんどん貯まる。でもだんだん会員が死んでいく。最後の一人が総取り、ほら、長生きしたくなってくるでしょ?だって。2022/11/06
ネギっ子gen
40
永六輔氏の中でも、お気に入りの本。シャバでは聞けない、氏の刑務所慰問講演集。昔、各地の刑務所を慰問した時の記録が見つかったということで、新書に。どこの刑務所でも「男の胸についている乳首ってのは、女になれなかった、ダメなヤツだって印」と説く。「男のオバサン」を自称している氏の面目躍如。着ている派手な縦縞柄の背広を指して、「これはねぇ、亡くなった祖母が、ずっと敷いていた敷布団を背広に直したんです(笑)」と。イイ話だ。泉竹千代さんの逸話が上手い。「好きな女の子のタイプ」を問われ「年上の女がいい」(爆笑)って!⇒2019/10/30
白玉あずき
21
いきつけの美容師さんに面白いよと勧められて。刑務所へ慰問に行った際の口演のテープを文字に起こしたものだが、永六輔さんの軽妙な話芸に爆笑。六輔さん基本は性善説なんだな。受刑者の被害にあった方々はさぞお腹立ちになるだろうし申し訳ないが、と前置きはあるが、当時の社会風潮は今よりずーっとおおらかだった。加害者にも人権がとか、出所後の生活に希望を云々という事を今時言おうものなら、なんかあちこちで炎上しそう。先に読んだ「プリズン・ブック・クラブ」と比較して、笑いの持つ「人とつながる力」とか希望、色々思うところ多。 2016/11/28