感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
63
連続して起きた変死事件。その影に見え隠れする人形の影が意味するものとは…。内容は王道を行く極めてオーソドックスなホラー。主人公が連続怪死事件の謎を追うというストーリーはミステリに通じるものがあるが、題名と粗筋でそちらの方はほぼ前半四分の一で丸わかり。やはり主となっているのは怪異と黒幕を追う主人公の活躍であろう。ただ黒幕の手法はマッケンやブラックウッド、HPL等を思い出させるものがあって、黄金時代の残滓を感じさせるなあ。最近だとこういう王道に徹したホラーはあまり見ることが出来ないので、楽しんで読めました。2019/12/29
スプリント
7
ジョジョの奇妙な冒険の世界観で頭の中に再現されました。人形使いに逆らった看護師の魂は成仏できたんですかね。2017/12/03
qoop
7
体裁としてはオカルトホラーなのだが、あくまでも魔的に見える事象を合理的に解釈しようと粘る主人公。ミステリタッチの展開と相まって、合理/非合理の狭間で夢とも現ともつかない読み心地を与える本作はなかなかの収穫だった。立て続けに起こる不可解事によって揺らぐ常識と、それに固執して平静を保とうとする心理のあり方は現代的であるが、それにとどまらず、硬直した脆さを感じさせる点でも現代の戯画となっているようだ。2017/11/14
ちゃま
6
中盤までスムーズに読み進められなかったけど、終盤面白くて一気に読んでしまった。 文章だけでも十分怖かったのに、これを映像で見てしまったら。。2024/02/05
長岡紅蓮
6
変死事件がおき、その謎に迫っていくミステリー。死体のそばには決まって人形が佇んでいる。人形店店主マンディリップという女性を怪しむが、それが恐怖への入り口となる。 やがて、死体の両手が動きはじめた。ゆっくりと肘から先が上がって、指が鉤爪のように曲がっていく。シーツの下で身体が小さく動いてーー 悪夢を見ているような呪縛が解けた。この数時間で初めて、自分の慣れ親しんだ世界に足が着いていた。それは死後硬直で、死体がこわばっていく現象ーーだが、それが通常より早く始まり、見たこともない速さで進んでいくのだ。(頁28)2018/09/23
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- 和書
- ユリ 花専科・育種と栽培