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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
ハワードの怪奇寄りの作品を収録した一冊。とは言ってもヒロイックファンタジーもしっかりと収録されている。それがキング・カルの物語とは、もはや何をや言わんや。怪奇小説の方も充実したものばかり。「鳩は地獄から来る」は何度読み返しても恐ろしいし、「墓所の怪事件」「失われた者たちの谷」は退化をモチーフにした作品でラヴクラフトに通じる当時の空気を感じ取れて大満足。やはりこのレーベルはいい仕事するなあ。パルプフィクションって独特の世界観を持っている事を再認識。ただそれは現代の小説が失って久しい世界観でもあるわけで。2015/12/24
Kouro-hou
29
ナイトランド叢書の『幽霊海賊』と共に記念すべき最初の本である。初翻訳、新訳含む8篇を収録。テーマは怪奇で幽霊モノ、ヤバい先住者モノ、怪奇な敵役のヒロイックファンタジーものも含む。ボクシング物やラブロマンスもあるよ! 大好物「鳩は地獄から来る」は旅の青年が怪異に巻き込まれ、逃げる途中でマッチョで頼りになるナイスガイな保安官と出会い、共に真相解明に立ち向かうお話。他の収録話も似たような展開があるのですがw、恐怖描写&バディモノのツボをついています。決して成功作ばかりではない著者の試行錯誤が伺えるのも良いです。2019/04/30
りー
29
おおおお!さすがはナイトランド叢書!見事にB級怪奇小説ばかりを集めたものだ。(※褒め言葉です) ブードゥの秘技だとか忘れられた種族だとかもう、所謂日本人的な感覚では決して世には出ないであろうタイプの短編を詰め込んだ福袋的な楽しみのある一冊。怖いか怖くないかっていったら毛ほども怖くないのだけれど、B級感を好む人ならばなかなか楽しめることだろう。ただボリューム自体はさほどではないのでややコスパは悪いか。2015/09/02
かわうそ
24
短い期間にさまざまなジャンルに亘って量産された中から厳選された作品群。新訳ということもあって思いのほか楽しく読めた。冒頭で本題と思われた話とは全然関係ない方向から怪異が登場してくるパターンが多いような。2015/08/24
maja
20
ハワードの幻想怪奇集。滲みだして湧いてくる独特な迫力がいずれも魅力的だ。お気に入りは、「鳩は地獄から来る」「トム・モリーノの霊魂」「失われた者たちの谷」「バーバラ・アレンへの愛ゆえに」。「墓所の怪事件」では「見たんじゃ」「悪魔じゃ」と叫び騒ぐ老人の姿とそこから急勾配で異界に落ちていくスリルをおおいに楽しむ。2019/08/16