感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
53
絵本作家の八島太郎さんが子供の頃に過ごした鹿児島県大隅半島の小さな農村の様子を、故郷への愛情たっぷりに描いた絵本。大正の頃の様々な人たちの暮らしぶりがうかがえて、とても興味深い内容です。様々な職業や職人たちの姿が、少年の目を通してユーモアを交えつつ描かれています。当時はアメリカで暮らしていたのに、記憶だけでこれほど詳細な絵で描かれているのが凄い。俳優のマコさんが息子さんだと知って驚きました。2023/09/10
yumiha
48
戦前(昭和初期?)の道草の様子が詳しく楽しい。立ち寄るのは、桶屋、染物屋、お菓子屋、畳屋、提灯屋、看板屋、豆腐屋、下駄のすげ替えをする人、米を撞く人、樟脳工場(クスノキから作るのは、初めて知った)、水車小屋、サトウキビの汁をしぼる人、鍛冶屋(まだ熱い蹄鉄を馬につけるのも初めて知った)、散髪屋、お百姓…今はなかなか見ることができない仕事や道具は、職人さんの手仕事をじっくり見るのが好きだから、興味深い。今の子どもたち(大人も?)は、自分の生活がどんな労働で成り立っているのか、実感が持てないだろう。2023/12/28
たまきら
43
読み友さんの感想を読んで。まったく存じ上げない作家さんで、しかも1950年代に出版されたのに日本で紹介されるのは90年代?驚いて経歴を拝見すると、小林多喜二と親交もあったプロレタリアートの人でした。へえ~!でも、アメリカでも苦労されたろうなあ…。他の作品も見てみたいです。2024/02/22
ぶんこ
43
小学校からの帰り道、家までの間にはさまざまな手仕事をする家がありました。子どもたちは桶屋、染物屋、畳屋、提灯屋、看板屋等々の独自な仕事ぶりを眺め、ある日は町を通らずに山道を行く。くすのきから樟脳を作る工場、鍛冶屋、農家の庭先でもいろいろな手仕事がおこなわれていました。農家での一休みに誘われて、ちょっと一休み。通りかかった小学生をお茶休憩にお誘いするとは、いい時代でした。こうして学校からの帰り道で、大人になるまでのさまざまなことを学ぶことができたそうです。素晴らしい。2023/12/06
かおりんご
20
絵本。時代は昭和の初め頃。村の中には、それこそたくさんの興味深い仕事をしている人がいて、その仕事を見ながらお家に帰る話。みんなが支え合って生活している様子がうかがえる。2021/10/03