内容説明
娘を国に残し、異国の地で抱く望郷の念。在りし日の父母の姿に、幼少の頃、そして自我に目覚めるころを重ね写し、思いは、教職時代の渡伯へと半生をたどる。異国で見たものは、輝く瞳の自分を生きる赤裸々な生き方であった。幸せに生きるため欠かせぬものは何なのか。帰国し、物は豊かだが、冷めた心の若者に接し、一抹の寂しさを感じる。第二回「追憶」出版化奨励作。
目次
1 私の少年時代(母を想う;父を想う ほか)
2 自我に目覚めるころ(薬;野風俗 ほか)
3 教職生活の中で(どもり;父の逝った日 ほか)
4 ブラジル生活、三年(ベレーン、赴任雑感;長女、真弓の結婚式 ほか)
5 帰国、一年(宇野総領事のこと;ブラジルで考えた日本での老後のこと ほか)
著者等紹介
村尾徹也[ムラオテツヤ]
昭和13年鳥取県に生まれる。京都学芸大学卒業後、昭和36年から中学校教員として、大阪府守口市内中学校で国語科の教鞭をとる。昭和62年守口市立第四中学校教頭、東小学校教頭を経て、平成4年ブラジル・ベレーン日本人学校校長。帰国後、平成7年大阪府枚方市立楠葉西中学校校長。退職後、平成14年まで大阪府教育センター教育相談員(非常勤嘱託)
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