内容説明
温室効果、気候予測シミュレーション、クライメートゲート事件、温暖化対策…CO2濃度上昇の原因は何なのか?20世紀の気温上昇の主因は、地球大気の温室効果の増大だったのか?「温暖化」をめぐる科学的な判断材料として、改竄されていない観測記録、異なる立場の学説・理論の概要、内外の研究情報などを紹介・解説し、科学&情報リテラシーの確立を訴える。非科学的なパリ協定が強制する“未来”、すなわち資源浪費と工業生産規模の爆発的な増大による環境破壊=人間社会の荒廃に対抗していくために―。
目次
第1章 地球の気温変動の歴史
第2章 20世紀温暖化の実像
第3章 気温はどのように決まるのか
第4章 気温と大気中CO2濃度
第5章 温室効果と気温
終章 「20世紀の温暖化」が映す自然科学の危機
著者等紹介
近藤邦明[コンドウクニアキ]
1957年、大分県別府市生まれ。1982年、大阪大学大学院工学研究科前期課程修了。工学修士(非線形鋼構造解析)。鉄鋼メーカーエンジニアリング部門勤務を経て、現在別府市で自営業。ホームページ“「環境問題」を考える”を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ryoichi Ito
6
地球温暖化の原因が人類の出す二酸化炭素だとする説はIPCCをはじめ多くの専門家により疑いのない事実だとされている。昨年眞鍋淑郞博士に与えられたノーベル物理学賞はそれを不動のものにした。しかし,本書はそれが不動ではないことを主張する。20世紀の温暖化は自然現象であり,二酸化炭素の増加は温暖化の結果だとする。また,長期にわたる気候シミュレーションは原理的に不可能だという。全体としてかなり説得力があるが,問題はこのような「懐疑論」がさまざまの力で妨害され押しつぶされようとしていることだ。2022/01/24