花咲か - 江戸の植木職人

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883441730
  • NDC分類 K913
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

greenish 🌿

57
花が好きで、江戸じゅう桜でいっぱいにしたい。植木屋に奉公に出た常七の健気で優しい物語  ---1973年初版。常七が奉公を始めた頃からの覚書をもとにしたお話と作者・岩崎京子さんの解説で構成されていて、実際の史実と照らしながら物語が展開していくのが面白い。 植木屋・源吉に見込まれた常七の手。その手は、松の芽を器用に摘み、菊の苗を大切に育て、そして江戸の地にただ黙々と桜の若木を植えていく・・・。春の訪れとともに、あちらこちらで美しい桜を愛でる時、常七の想いも結実したんだと思うと感慨深いものがあります。2014/04/20

バニラ風味

9
その秋草の寄せ植えを見て、源吉は驚いた。「こいつぁ、才能がある!」。常七は齢13才。その時から植木屋源吉に奉公し、目を腕を磨き、後に江戸中に、桜の花を咲かせることになる。著者は、常七の何気ないメモを発端に、植木屋での暮らしや出来事を語り、そこから江戸での植物ブームをも知ることができる。桜以前に、菊(本書では描かれていないが、朝顔や万年青などにも)ブームがあり、品評会や番付があった。植物を愛でるだけでなく、それを見世物やネタにする、現在の植物展示イベントは、その時代から現在に続いているんだな、と思った。2014/05/01

つき

6
『ぶんか三 ひのえとらのとし ながつき十七にち、はるる。 うゑげんにほうこう。』 植木職人の源吉に見出されて、植源に奉公するきとになった幼い常七が横帳に書きつけた覚書きを紐解く格好で、虚実入り混じりながら物語が進んでいく。 奉公に上がった常七の生活を覚書きから読み解いているだけなのに、朝の連続ドラマを見ているような感覚で惹き込まれ、とてもおもしろい。 同じ奉公人のさよちゃんの切ない話、奇抜さを求めて菊人形を創り出す親方の話など、黙々と花を咲かせ続けた常七の人生にも、たくさんの出来事があったなあ。2017/02/17

ぽけっとももんが

4
どこまで本当なのかわからないけれども、常七の覚書に沿って物語と著者の解説が進む。 江戸時代の菊作りの騒ぎなど、興味深い。 今日本中に美しい桜が植えられ、春になると心弾むのが常七の「みんなに桜を見せたい」という気持ちから来たものなら楽しいなぁ、と思う。 やっぱり桜のない春は考えられないよね。2014/02/14

森乃あさ

2
歴史小説になるだろうか。 主人公 常七の覚書という形をとって作品が 展開していく。 そして、ときどき登場する私なる作者。 物語の合間に ある日、私は本郷通りを歩いてみた。 このあたりを常七が歩いたんだなあと思いながら……。 とでてきて、作者が調べた歴史上の事柄が 解説されている。 それが物語の展開の邪魔にならず、調和している ところが見事だと思った。 それに加えて表現力の豊かさ。 2014/02/01

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