小農救国論

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883402939
  • NDC分類 612.1
  • Cコード C0061

内容説明

食料有事にも動じない。農の土台を支える担い手層は、どの国も同じ…多様性のある家族農業・小規模農家こそが立国、救国の礎であることを現場から証す。

目次

第1章 小農はどこが強みなのか(「地域再生」について思うこと;大規模農業一辺倒ではだめなわけ ほか)
第2章 儲かる農業は成り立つか(食うためのコメ;自前の農業への転換 ほか)
第3章 壊国TPPはなぜ危ないか(黙っていられないから、決起集会;TPP断固阻止を祈願 ほか)
第4章 「攻めの農業」でよいのか(TPP交渉と農;「攻めの農業」でよいのか ほか)
第5章 身土不二がなぜ望ましいか(「農業問題」は「消費者の問題」だ;献身の農業は楽しい ほか)

著者等紹介

山下惣一[ヤマシタソウイチ]
1936年、佐賀県唐津市生まれ。農業に従事するかたわら、小説、エッセイ、ルポルタージュなどの文筆活動を続ける。1970年、『海鳴り』で第13回日本農民文学賞、1979年、『減反神社』で地上文学賞受賞(直木賞候補)。国内外の農の現場を精力的に歩き、食・農をめぐる問題などへの直言、箴言を放つ。アジア農民交流センター(AFEC)・TPPに反対する人々の運動共同代表などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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壱萬参仟縁

25
小さな農家がいないと国は荒れる(24頁~)。大規模だけでは国は、国民は持たない。小農とは、暮らしを目的として営む農業(28頁)。家族農業で生業的。カネにならない百姓仕事こそが、農業の土台を支え自然を守っている(68頁)。中山間地10haは集落営農の基準引き下げだが、規模拡大路線は現場と乖離(95頁)。昨年が国際家族農業年(121頁)だったのは知らなかった。TPPのリスクは、健保や年金が任意加入となり、格安賃金の外国人労働者と競争にさらされ、格差拡大、治安悪化が予想される。2015/02/09

ラーメン小池

7
農民作家である山下惣一氏が、環境との共生や経営リスク低減から小農擁護を訴える。諸外国や経済界の言い分を真に受けて、農業で効率化を追求すると自転車操業ならぬ蟻地獄が待っている。すなわち、日本はコスト競争では初めから外国に勝てるはずもなく、また経営についても原油高・為替変動など予測・回避不能なイベントで一夜にして破綻するリスクを抱えることになる。終戦直後、農村が大量の服役軍人を吸収して社会不安を抑えたように、近い将来、農村・小農の強さ・逞しさが、身土不二を通じて窮地に陥った我が国の食と環境を救うかもしれない。2015/01/24

坂田 哲朗

2
国連報告書は「農業の専門特化はリスクを高める」と指摘しているという。著者は、小規模、兼業、高齢農家の農地を少数の大規模農家に集中させようとするいわゆる「構造改革」は短期的な利益を狙って国土を疲弊させてしまうと警鐘を鳴らしている。新しい方法論だと思ってきた大規模アグリビジネスはむしろプランテーション指向の古いパラダイムなのかも知れない。大きくすればいいという幻想から覚めて「もともと美しい農村風景など存在しない。自然の恵みに感謝して暮らす農家の営みが存続することが美しいのだ。」の言葉に触れてハッとしました。2015/07/07

コホーー

1
昔ながらの家族農業・小規模農家による現場目線の農業論・国(まち)づくり論。国の方針に対し、すごく的を射た指摘をしており、かなり面白く・興味深い内容でした。中でも「農家が農産物と引き換えに得ているのは、儲け(付加価値)ではなく対価。第一次産業に儲けはない。」、「儲からない農家が何代も続いているのに儲けているはずの企業等は倒産する。」、「農業後継者が育ち、田舎に適正な人口が住み着くには、都市に対して田舎が比較優位になればいい。」、「食費が高いのは自分で料理しないから。」は目から鱗でした。超オススメの一冊です。2017/09/02

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