目次
プロローグ 固定種の野菜は生きた文化財(伝統野菜の味は「百聞は一口にしかず」;伝統野菜はほとんどが「固定種」 ほか)
第1部 種と種屋と種苗業界の素顔(野菜の固定種とF1種をめぐって;種屋と種苗業界の推移・裏表 ほか)
第2部 今どきの野菜の種明かし(ヒョウタンで知る固定種づくり;キュウリの味覚・外観・素性 ほか)
第3部 野菜固定種の種取り扱いリスト(自家採種技術の復活と固定種の復権;種屋として固定種を守り続ける ほか)
著者等紹介
野口勲[ノグチイサオ]
1944年、東京都青梅市生まれ。ほどなく父の再招集で父の郷里・埼玉県飯能市に移住。成城大学文芸学部へ入学するが2年のとき、虫プロ出版部入社のため中退。手塚治虫の担当漫画編集者となる。虫プロ退社後も出版編集業を続けるが、やがて家業の種苗業を手伝ったり、みかど育種農場で育種の研修を受けたりして種屋の三代目を受け継ぐ。伝統野菜消滅の危機を感じ、地元はもちろん、全国各地の固定種の種を取り扱い、頒布を主力にする。第33回山崎記念農業賞受賞(2008年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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バニラ風味
7
昔は手塚治虫の編集者をしていた筆者。親を後を継ぎ、種屋になり、その経験と知識、世間の常識を惜しげなく、公開。キュウリの白いブルームは、水をはじき、病気や害虫から実(自分)を守るために出してます。だけど、農薬がついているのでは?と誤解され、敬遠されていた中 、あるカボチャに継いだ所(カボチャを台木にすると耐冷性や耐病性が優れる)ブルームレスができるとわかり、主流に。他にも、ひょうたんやのらぼう菜のこと、固定種とF1、遺伝子組み換えの話などの問題提示も。目からウロコの話が満載!種袋の写真も楽しいです。2014/01/06
Yoshie S
3
いつもとは別の図書館で偶然見つけた本。野口のタネには以前から興味があったのですぐに借りてきた。 固定種とF1種の美味しさについては、こだわるあまりに少しいびつな書き方になったようにも思えるが、子孫を作れないF1種が自然の摂理に反していることは明らかで、GMとともに安全かが検証できないことには大きく同意。 のらぼう菜は居住地域でも栽培されているが、アブラナ科で交雑できない、ということは安全性が高い油が採集できるということ!もたろん食用でも美味しいし、栽培してみたくなった。2017/01/26
Hiroyuki Nakajima
3
現在市場に流通している野菜の殆どは、収穫量や、収穫時期等をビジネスとしてうまく回るように、交配を重ねて作られたF1種で、育てた野菜からは種が取れないか、取れた種からは均一の野菜が育たないそうです 元々は食糧不足解消の政策でそうなってしまったそうですが・・・ 野口さんは、ポリシーを持って固定種を販売しておられるそうです、野口種苗は知っていましたが、種業界やF1種と固定種について非常に勉強になりました 取り扱いの種のリストや野菜の特徴も乗っていて、実用的です 2010/01/04