内容説明
いかに虫に魅せられ、究めてきたのか。東西の「虫屋」の著述、人生観などを披瀝。虫と人とのただならぬ関係を明らかにする。東西の昆虫家のプロ・アマを問わず、後世に残るような本を著した人物について、その著作と評伝を書いた。
目次
第1章 虫とかかわり合う(サクラと昆虫;国蝶オオムラサキ ほか)
第2章 あんな虫こんな虫(タマムシ;クロカワゲラ ほか)
第3章 虫と人物と著作と(日本昆虫学の開祖―松村松年;害虫の生活史究明―佐々木忠次郎 ほか)
第4章 虫に魅せられて(小泉八雲と虫;虫愛ずる女性たち ほか)
第5章 日本人と虫の歩み(「鳴く虫文化」ノート;虫売り事始め ほか)
著者等紹介
小西正泰[コニシマサヤス]
1927年、兵庫県西宮市生まれ。北海道大学農学部農業生物学科卒業。同大学院農学研究科修士課程修了。農学博士。北興化学工業(株)技術顧問、学習院大学講師、恵泉女学園短期大学講師などを歴任。現在、日本ホタルの会理事、野川ほたる村村長、東京ホタル会議議長、日本アンリ・ファーブル会理事を務める。日本昆虫学会、日本応用動物昆虫学会、日本鞘翅学会、博物学史協会(ロンドン)、生きもの文化誌学会などの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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古谷任三郎
2
題の通り、昆虫の事や昆虫にまつわる人物の評伝、本などを紹介している。著者は昆虫少年であり、それ以来昆虫に携わってきた。昆虫に対する愛が文章に伝わってくる。また著者は蔵書家であり、昆虫学者の中では「四天王」に入るほどの蔵書数であるという。一度お会いしたいと思ったが、悲しい事に10年前に亡くなっていた。20代最後に読んだ一冊であるが、30代は昆虫にまつわる本をたくさん読んでいきたいと思う。2023/09/21
mustang
0
虫の本コレクターの筆者が著した大変な力作。2008/10/03
志村真幸
0
著者は虫の採集家。虫の文化史研究や、虫の本のコレクターとしても知られる。 本書の前半は、虫に関するさまざまな蘊蓄を開陳したもの。アリストテレスがすでに女王蜂の存在に気づいていたこと、カマキリを食用とする地域があちこちにあること、蓑虫を英語でバスケットワームと呼ぶこと、『北越雪譜』に出てくる雪の中の虫の正体などなど。 後半は、昆虫研究者や、その著書について。日本/世界の主要なひとたちの伝記的事実が手際よく紹介されており、とても有用だ。著書についてもポイントを突いた説明がなされており、わかりやすい。 2021/07/16