内容説明
体験デザイン、強い企業だけが知っているもう一つのブランド戦略。
目次
第1章 ブランドと体験
第2章 体験デザイン―企業のブランディング事例
第3章 ブランディングにおけるデザインとプレーヤーの役割
第4章 体験デザインのつくり方
第5章 体験デザインの実践―「一番搾りフローズンガーデン」
第6章 デザインイノベーションへの挑戦―「表参道布団店。」
著者等紹介
室井淳司[ムロイアツシ]
アーキセプトシティ代表/クリエイティブディレクター/一級建築士。1975年生まれ。2000年東京理科大学卒業後、博報堂入社。空間開発チームに所属し、企業ブランディング、空間・店舗開発、デザインコンサルティング、体験コミュニケーションクリエイティブ業務に従事。2007年空間ブランディングを実行する社内組織、「博報堂エクスペリエンスデザイン」を発足。2009年ミラノサローネサテリテ参加。2011年金沢美術工芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
39
モノを売ることから、コト作りをし、ブランドの体験をデザインする、という視点は重要だ。 Nespressoは、商品体験にとどまらず、店舗での体験、カスタマーサービス含めて、顧客がブランドに期待するレベルを高く維持している。これら様々な体験を、一つのブランドが同じ世界観で行うことで、クオリティの高いカスタマーエクスペリエンスが構築され、メーカーをモノ売りからコト売りへと進化させる。コトを売ることで顧客の生活サイクルに入り込み、顧客との中長期的な関係性を構築し、メーカーは継続的に収益を上げていくことができる。2020/05/10
シロクマとーちゃん
8
筆者は企業のブランディングを請け負うクリエイティブディレクター。単なるデザイナーではなく、クライアントと一緒にブランドを掘り下げていき、デザイナーに指示を出せる人。こういう職能の重要性が増している。しかし、業界でも、まだまだ、こうした立場にいる人は少ないようだ。そういう意味でパイオニアでもあるのだろう。(それはそうとカタカナが多くて読むのに少し苦労しました)2020/01/06
どりぃ☆
5
建築学科を卒業後、空間デザイナーとして博報堂に入社し博報堂で初めて広告畑以外からクリエイティブディレクターに昇進した著者による「コト」デザイン、ブランディングについて書かれた本。ブランディングの本は今まで数冊読んだけれど、それらと違うのは著者の出発点が空間デザイナーであることによるマクロの視点での対象の捉え方かなと思った。著者が携わったキリンの一番搾りフローズンガーデンについて詳細に紹介されていて深い理解に繋がった。経営者・デザイナー・技術者の三位一体でブランディングを進めるという考え方も興味深く読んだ。2020/11/07
えんど
4
空間、モノ、人を通して価値を伝えるという話。細部までブランディングして行くことで空気感が伝わるんだなと多くの例で面白かった。この本でとくに学びになるのはリアル店舗の見方でこいった戦略でこういう配置、接客してるのかなと考察していく視点をくれること。2019/07/02
あつき
3
マーケティングの考え方は「モノ」中心から「コト」中心に変化し、企業はどのような体験価値(UX)を提供できるかが成長の鍵となる。ブランド体験を構成する要素として①モノ②人③空間デザインの3つがある。新たな体験価値を提唱したブランドとしてスタバがある。コーヒーの飲み方でメニューを展開したり、「こんにちは」と挨拶したり、居心地の良さを重視している。カフェのイメージを「おじさんくさいコーヒーを飲むための場」から「カジュアルでセンスの良いザ・サードプレイス」に変化させたのだ。青山フラワーマーケットやドンキの事例も。2020/06/22