内容説明
森の奥のふるい図書館。夕闇の書架でおきた出来事。一冊の本のなかに消えたきんぎょを追って、ジェジェが旅した不思議な世界は、ジェジェときんぎょのふたりだけの秘密。
著者等紹介
ユテウン[ユテウン]
韓国生まれ。イラストレーター。伝統文化を愛する祖父母の家で育つ。ソウルの弘益(ホンイク)大学を卒業後、渡米。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。ニューヨーク在住
木坂涼[キサカリョウ]
詩人・エッセイスト・絵本作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nyanco
70
ただただ読書メに感謝!読メが無ければ出会えなかったであろう素敵な絵本。素敵な装丁。古びた図書館のセピア色の中に赤い金魚がとても美しい。金魚と旅した不思議な世界、何の言葉も無いのに伝わってくる世界が凄い。とても静かな静かな絵本なのですが、いつまでも浸っていたくなる…。美しい絵本とは極彩色の絵本ではなく、こういう本なのだと私に教えてくれた逸品です。2010/06/28
とよぽん
60
作者の名前から韓国のお話、と勝手に思っていたけれど・・・読んでみると全然韓国っぽさ(?)を感じない、子供と金魚が異界に入り込む面白い絵本だった。視覚障害をもつ方に音訳するとしたら、と考えると、文がなくて絵だけのページをどう説明するか難しいと思った。でも、紹介したいと思う不思議な絵本。図書館で、この絵本が私を呼んでくれて出会った。2021/07/17
pocco@灯れ松明の火
34
図書館(大人向):読友さん紹介本。この金魚、すごい金魚。どんどんと主人公を連れて図書館の中を旅へ導くツアコン金魚。本に入り込んで、夢みがちって良い。2011/05/24
リコリス
32
真っ赤な装丁と少し不気味な感じに思わず手が伸びた。 セピア色の中に真っ赤な金魚が印象的。 森見登美彦氏の「宵山万華鏡」をちょっと思い出した。2021/02/07
Roy
29
★★★★☆ 赤が印象的な韓国の絵本だ。セピア色の古ぼけた中に美しく彩色された金魚の赤、表紙の赤、本から飛び出る沢山の赤、そこだけがまるで生きているかのような錯覚を見せる。途中本の中を旅する時に、一切の文字が排除される。文字が無くなるだけで意外にも疾走感が出る。素敵だ。2009/05/31