内容説明
チッソに入社した細谷は守山工場に着任。その時、チッソも水俣病も知らなかった。そのことに大きなショックを受け、その後各地の公害事件や労働災害の支援に動く。「水俣病の問題は僕にとってはずっと教師のような存在です。水俣の問題がなければ僕は琵琶湖の問題にそれほど取り組まなかったかもしれない」といい、滋賀の草の根県政深化へと動き環境生協を設立。そして、1989年11月18日正午、奥琵琶湖に浮かぶ漁船の上で、細谷は琵琶湖を抱きしめた21万人の姿を静かに想像していた。わずか半年の準備期間で善意の輪が広がったことに、目頭が熱くなり、「社会の福祉化、福祉の社会化が必要」と気づき「しみんふくし生協」を目指す。生協運動の眼は海外にもむけられた。
目次
第1章 琵琶湖を抱きしめる
第2章 戦前から戦後へ
第3章 チッソと闘う
第4章 労働運動の道
第5章 武村県政へ転換
第6章 よみがえれ琵琶湖
第7章 協同組合が社会を変える
第8章 海を越えて
著者等紹介
関根英爾[セキネエイジ]
1969年、早稲田大学卒。滋賀日日新聞を経て京都新聞記者。主に政治、行政を担当。東京支社編集部長、編集局次長兼政経部長、企画事業局長、論説委員など務める。現在、フリーのジャーナリストとして執筆、講演などを行う。滋賀県立大学非常勤講師、日本ペンクラブ会員。京都市出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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