感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pyonko
3
三島由紀夫の「絹と明察」のモデルとなった、近江絹糸争議の工員側からの回顧録。新組合の発足までが語られる。少なくともこの本からは 絹と明察に見られた駒澤の家族的経営観は垣間見えず、ただただ会社側の行きすぎた労働者への監視がわかるのみ。会社側が工員に対して暴力を奮っていたような描写がないのが意外であった。2015/02/24
Tatsuya Michibata
0
実際の当事者、それも争議の中心人物が書かれた本であり、とてもリアル。「地下活動」のようなことをしており、ちょっとサスペンス風です。それにしても、当時のこの企業の実態はひどい。多分これほどではなくても、同様なことを行っていた企業も多かったでしょう。それが労働者の不断の努力で改善されてきたと改めて認識しました。次は三島由紀夫の『絹と明察』を読んでみたいですね。2014/02/14