内容説明
大河ドラマ「天地人」直江兼続の盟友・石田三成。彼は単なる「忠義」の臣だったのか?戦国の構造改革を成し、家康と戦った真の理由とは?新たな三成像に迫る。
目次
1 三成の誕生と出仕(石田三成の人物像;三成の出生地と祖先;三成と秀吉との出会い;父と兄―正継と正澄)
2 秀吉の家臣として(賎ヶ岳合戦前後の三成;奉行としての三成;薩摩島津氏と三成;博多復興と筑前代官)
3 天下人秀吉と三成(小田原北条氏攻めと三成;常陸佐竹氏と三成;奥羽仕置と三成;朝鮮出兵と三成)
4 佐和山城主石田三成(佐和山城主時代の三成文書;三成が佐和山領に出した村掟;佐和山城の城と城下町)
5 西軍の関ヶ原(信濃真田氏と三成;直江兼続と石田三成;西軍の関ヶ原;石田三成の捕縛;佐和山城の戦い)
著者等紹介
太田浩司[オオタヒロシ]
1961年東京に生まれる。1986年明治大学大学院文学研究科(史学専攻)博士前期(修士)課程修了。現在は長浜市長浜城歴史博物館学芸員(副参事)。特別企画「一豊と秀吉が駆けた時代―夫人が支えた戦国史―」、「戦国大名浅井氏と北近江―浅井三代から三姉妹へ」、「秀吉を支えた武将田中吉政」などを始め、多くの展覧会を手がけ、近江の歴史に関する研究、論文など、多岐にわたり活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BIN
9
石田三成について特に文書が残っている事柄を中心に扱ったものです。三成の父や兄についても詳しい。もともとそれなりの豪族だったようだ。三成の文書で嶋左近の名が平成20年に発見されたものが初めてというのも驚き。真田信之=真田伊豆守=「さいつ」ってどんな略だよ。信之とも交流があり、その文書がちゃんと残されていたというのも全く知りませんでした。当時は実は五大老が五人之奉行、五奉行が五人之年寄と呼んでいたなど知らなかった情報も結構あり、為になった。2017/05/13
flat
3
石田三成の概要が分かる本。しかしこれだけ誤解を受け続けた人物というのも珍しいのではないかと思う。関ヶ原の戦いなんて言い換えれば三成派vs反三成派と言っても差し支えない程だと思うのだけど、一方で大谷吉継や直江兼続といった人物達と確かな絆を作っているのも事実。そう考えて石田三成という人物について更に気になってしまった。2016/09/07
氷菓子
1
犬伏の別れで徳川方についた真田信之が三成からの書状を大切に保管しており、信之が徳川方についたのは個人的な繋がりではなく、「家」を存続するための苦渋の決断だったことが分かるというのが印象的だった。手紙の内容からだけでなく、その手紙が破棄されずに残っている事から、昔の人の気持ちを推察する事もできるのだと分かった。2017/04/16
ぐら
1
石田三成が何をしてきたか分かりやすく解説した、石田三成入門書。巻末には彼が残した書状の釈文集はありますが、とにかく簡単に読めます。個人的には、もうちょっと突っ込んだ解釈があってもいいんじゃないかと思いました。佐和山城下分析は、面白かったです。4年程度で色々してたんですね。2009/09/07