内容説明
台東平原の西、中央山脈の麓にあるタマラカウは、戸数四十余のプユマ族の村である。大きな村に囲まれ、西のブヌン族からの脅威にもさらされるこの村は、大正時代になると、日本植民地当局からも眼をつけられる。いかにして生き延びるか、部落の指導者たちは知恵を絞る。巫女(みこ)のディーグワンは、卓越した巫術で難局を切り抜ける。二〇〇八年台湾文学賞受賞作品。台湾原住民文学初の長編歴史小説。
著者等紹介
巴代[パタイ]
1962年台東県卑南郷泰安村タマラカウ(大巴六九)生まれ。プユマ族。本名は林二郎。卑南国民中学卒業後、中正預校、陸軍官校で学び、職業軍人になる。教官を務めたのち、2006年退役。2005年台南大学台湾文化研究所修士。2002年「薑路」で原住民報導文学賞を、2008年『苗鸛』で台湾文学賞を受賞。巫術についての研究書や、タマラカウ部落に伝わる祭儀を記録した書も出版している。台湾原住民族文学ペンクラブ副会長
魚住悦子[ウオズミエツコ]
1954年兵庫県相生市生まれ。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。文学修士。現、国際交流基金関西国際センター日本語教育専門員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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