内容説明
1980年代に生まれた“新しい文学”、台湾原住民文学も早や30年。はたして果実は実ったのか。ベルギーのルーヴェン大学の留学より帰国してから今日まで、原住民族の過去・現在・未来について考え続けてきた、苦闘と思索の書。いま台湾原住民文学は“而立”を迎え、世界のエスニックマイノリティー文学へと繋がっていく。山海文学その背景と展開。本邦初の個人著作評論集。
目次
第1章 黄昏の民族として(子供の頃の印象;母の歴史、歴史の母 ほか)
第2章 言語、文化そして政治(原住民の母語問題に関する若干の検討;多元文化と原住民言語政策 ほか)
第3章 文学を防衛線とする(原住民の文化・歴史と心の世界の描写―試論原住民文学の可能性;原住民文学の苦境―黄昏あるいは黎明 ほか)
第4章 山と海の世界(山海世界;神聖なる回帰―台湾原住民族祭儀の現況と再生 ほか)
著者等紹介
ダナパン,パァラバン[ダナパン,パァラバン][Danapan,Paelabang]
孫大川。1953年台東県卑南郷賓朗村下賓朗(pinaseki)生まれ。プユマ族。国立台湾大学中国文学系卒業。輔仁大学哲学研究所およびルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)漢学修士。東呉大学哲学系講師、副教授、国立東華大学民族発展研究所所長、同民族語言与伝播学系主任を経て、国立政治大学台湾文学研究所副教授。台湾原住民族文学ペンクラブ会長。現、中華民国行政院原住民族委員会主任委員
下村作次郎[シモムラサクジロウ]
1949年和歌山県新宮市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。文学博士。現、天理大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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