羅聖(ナソン)の空

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  • サイズ B6判/ページ数 186p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883231492
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1093

出版社内容情報

ロス暴動で問われる在日韓国人の自己証明/新進気鋭の多感な作品集

「羅聖の空」───────多国籍都市ロスで、さまよう在日のアイデンティティ
「燃える草家」───────帰化を模索する在日韓国人が直面したロス暴動の波紋


引き裂かれる自己存在、屈折する民族とことば
在日韓国人が模索する自己の内面
いったい私はだれなのか?


交錯するアイデンティティー            川村湊
「燃える草家」は、複雑な多民族社会、多言語社会の様相を描いた小説といえる。ロサンゼルスで、黒人に対する差別的な裁判結果が出たことによる、いわゆる「ロス暴動」が作品の背景となっている。言語と国籍と居住権と民族的アイデンティティーの様々な形での交錯が、この小説の基本的な構造を成立させている。そうしたアイデンティティーの交錯という主題をこの作者はロスアンゼルスのコリアンという登場人物たちによって描き出した。

言語によって異なる表情          津島佑子
 「羅聖の空」では、ロサンジェルスに住む「在日」の、しかし今は日本国籍になった女性のとまどいを扱っている。アメリカに長く住めば、「在日」の意味も消え、中国語表記の「羅聖」もその韓国語読みの「ナソン」も、カタカナのロサンジェルスも消えLos Angelesのみの世界になる。植物が土地に適応した新しい種頼に変わっていくように、人間もしだいに土地にとけ込み、別の人間になっていく。そうかもしれない。でも、ちがうのかもしれない。答えを簡単には出したくない。そん、な態度もあり得るのではないか、という作者のつぶやきが

内容説明

『羅聖の空』―多国籍都市ロスで、さまよう在日のアイデンティティ。『燃える草家』―帰化を模索する在日韓国人が直面したロス暴動の波紋。

著者等紹介

金真須美[キムマスミ]
京都生まれ。第四回香大賞、第一二回大阪女性文芸賞、第三二回文芸賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

100
☆5.0 多国籍都市ロサンゼルスに住む在日で、しかし今は帰化した主人公の女性が、 「血」「民族」「自己存在」とは?、と、戸惑い葛藤する様を描く 『羅聖の空』と他『燃える草家』を収録。 白が黄色に、 黄色が黒に、 黒が白に、 唾のはきあいはドーナッツの輪さ。 ぐるぐる回って始めも最後もわかんないんだ。 2021/04/17

柳田

10
人は、自分の経験を再構成した物語を好む、というようなことをどこかで読んだ憶えがある。小説で主人公に感情移入する、というような経験はそうなのだろう。この小説は、多民族社会であるロサンゼルスにおける在日コリアンのアイデンティティの葛藤を描いたものだが、こういうのはなかなか日本人には分かりにくいのかな、というか、あまりピンと来なかった。まあ、背景知識が求められるところもあろう。佐藤優は、小説を読むことを通じて実人生では経験できないことを経験するのだといっていたが(うろ覚え)、読んだだけでは経験できないよ。2018/05/03

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