出版社内容情報
サンクトペテルブルグにあるロシア科学アカデミーピョートル大帝人類学・民族学博物館に眠る厖大な「アイヌ資料」を初めて公開・紹介。一四〇〇点の貴重なアイヌ民族資料を数年にわたる綿密な調査の結果、カラー図版、開設とともに紹介。
図版
アイヌ文化研究におけるアイヌプロジェクトの意義(荻原眞子)
ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館アイヌコレクション(タクサミ)
サハリンアイヌ(タクサミ)
ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館アイヌ民族資料の収集者(カクサミ)
資料目録
朝日新聞 1998.4.1
ひと欄「荻原眞子」
ロシアに眠るアイヌ資料を記録した
それは、三十年越しの夢だった。
1995年夏、古都サンクトペテルブルクのロシア科学アカデミー人類学民族学博物館。帝政時代から第二次大戦後に至る250年間、千島列島やサハリン、北海道で断続的に収集され、収蔵庫に埋もれていたアイヌ民族資料を目の当たりにした。
日ロ両国の研究者ら15人を率いて5週間、安ホテルに泊まり込み、資料の調査、写真撮影に当たった。翌年の夏も作業を続けた。
祭祀(さいし)具や狩猟具、食器、衣類など全部で約1900点。7割の資料には採集の時期と場所のデータがついていた。樹皮で編んだ帽子や、ミイラ化した鳥の頭が付いたイナウ(木を削って作った御幣のようなもの)はサハリンで集められた。北海道で見たことがないものだった。「北海道中心だったアイヌ研究に広がりができました」
資料目録は日英ロの3カ国語でまとめた(東京・草風館)。日本のアイヌ研究を世界へ発信する狙いもある。
千葉大教授、専門は北アジアの少数民族に伝わる口承文芸。初めはロシア文学に登場する異民族にひかれたが、関心はフィールドワークのできるアイヌ文化に移った
ロシア科学アカデミー人類学・民族学博物館所蔵「アイヌ物質文化」カタログ
目次
アイヌ文化研究におけるアイヌプロジェクトの意義
ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館(MAE)アイヌコレクション
サハリンアイヌ
ロシア科学アカデミー人類学民族学博物館アイヌ民族資料の収集者
資料目録