出版社内容情報
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内容説明
父性を求め、最北の海に出会う老人と青年、奇跡の一日。
著者等紹介
藤原新也[フジワラシンヤ]
1944年、福岡県生まれ。写真家・作家。東京芸術大学油絵科中退。インドを振りだしにアジア各地を旅して『印度放浪』『全東洋街道』などを著す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なっく
17
ちょっと自分に自信をなくした草食系の若者が、父親の面影を求めて訪ねて最果ての地で見つけたものは。老人、戦争の後遺症、荒れ狂う嵐、そして船と大魚。日常からかけ離れた世界にどっぷり浸りました。目の前のテレビでは、北朝鮮とか選挙とか……大自然の前で人間はなんと虚しいくて愚かなことを繰り返しているんだろうね。2017/09/29
RYOyan
15
最果て感漂う雰囲気が好きな感じ。父性無き現代の日本っていうのも、少しわかる気もする。ただ傷を負った者にしか語ることのできない物語があって、それを後世に語り継いでいくにはどうしたらいいのか。この物語の中にヒントがあるような気がする。自然に対する無力感を認めて前へ進んでいきたい。2017/07/06
tom
12
図書館で拾ってくる。藤原新也1944年生まれ。名前は知っていたけれど、初読みの人。元ゲーマーの青年が主人公。ひょんなことから父の生まれ故郷スコットランドのオークニーに行ってみた。当初は単なる観光旅行のつもり。そして、案内人に頼んだ老人のボロ車で島を巡る。嵐の日も老人は当然のようにして、青年を観光に連れ出す。行き先は、ストーンサークル。ここで不思議な音楽を聞く。この後、老人の来歴を聞くなかで大鮃を釣ることに。ここまでもいい話だったけれど、ここからはもっといい話。こんな物語を書く人がいるのだ。2019/05/19
DEE
9
全てを薙ぎ倒すかのような嵐や荒れ狂う海も、時に誰かの心を救うことがある。 いや、それでしか救われないこともある。スコットランドのオークニー諸島を舞台にした、主人公の生まれ変わりの物語。とても暖かい気持ちにさせられる。2021/11/02
コリディ
7
8点。4m超の大鮃(ハリバット)、「老人と海」のような、釣りと旅。父性と老い。壮大なロマンを感じ、何となく河崎さんの「颶風の王」を思い出しました。それにしても、旅行中にスマホをいじったり、読書をしたり、私も旅を楽しんでないなーと反省しました。2020/03/19