出版社内容情報
「なぜ日本語には韓国語の古い形が残っているのか?」「なぜ日本語と韓国語は、文法や微妙な表現の仕方まで一致するのか?」「なぜ日本語の母音は5個なのに、韓国語の母音は21個なのか?」「古代倭(やまと)の大王たちの言葉はなんであったのか?」...etc. 日韓文化比較の大家が、日本語誕生の謎に迫る一冊。
内容説明
日韓語の道、それは古代の一大叙事詩でもある。百済語が日本語で、百済語を投げ出したのが韓国語だった。
目次
第1章 日本語の水源を探る(列島の夜明け;日本の古語 ほか)
第2章 百済色に染まっていく日本(百家済海(群なす海上活動)
天孫降臨(移り変わる支配者たち) ほか)
第3章 百済語から日本語への過程(大王たちの百済語;日本語づくりの賢者たち ほか)
第4章 それでも文法は変わらなかった(漢字の介入;音韻変化について ほか)
著者等紹介
金容雲[キムヨンウン]
1927年生まれ。現在は、ソウルの檀国大学校特別教授。理学博士。韓国を代表する数学者にして、日韓文化比較の大御所。2009年まで六年間にわたり日韓文化交流会議の韓国側代表を務めた。日本側代表の平山郁夫氏とパートナーを組んで、日韓の相互理解に貢献している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kazuhisa Hirao
3
なにか強引な本だなあという印象で途中投げ出しだったのを読了させました。朝鮮語と日本語の文法は驚くほど似通っているのに語彙はかなり違うのですが、古代の百済語から朝鮮語、日本語と分かれる中での変化ということで、これほどに変わるんだなあと思った。 ところが、色々と裏づけを調査してみるとどうも百済語なんていうのはまったく明らかにされていない様子。日本語の場合は日本書紀、古事記、万葉集や中国の同時代の文献なのでかなり再現できるのですが、朝鮮の古い言葉はそうではないようです。 本書でも、百済語でこういう単語が変化して2012/02/02
プリン
3
「本当かよ?」ってツッコミを入れたくなる本ですが、著者は韓国有数の知識人ですし、読んでいて蓋然性を感じた部分もありました。大野晋氏の研究に依拠した部分もあり、これから再読してもう少し考えたいと思います。ただ、いまさら騎馬民族説はないと思います。2009/11/04
可兒
3
韓国起源説の極致。興味のわく記述もないわけではないが、過去の学説をむりやり正当化しようとする姿勢がうかがえる。トンデモ本の論拠にはなりそう2009/08/28
金平糖
2
D。2022/06/17
コホーー
2
7世紀頃までは日韓両地域の言語差は方言程度であったが、白村江の戦い以降、両者の漢字に対する対応が異なっていく。半島では、新羅による半島統一後の唐化政策の結果、漢文を中国式に棒読みするようになり(結果、音韻範囲は膨れ上がり、後のハングル創製に繋がる)、日本では戦い以降来訪した百済系文人の主導の下で中国語を自国化し、漢文の日本式訓読法を完成させる。結果、今日に見る双方の言語は近くて遠い言葉となった。日本語と当時のカラ語(やまと言葉に相当する半島固有の言葉の意)の共通性などなかなか興味深い内容でした。2018/06/23