内容説明
「自分」を輝かせていける極意、「未来」を創るエネルギー源!逆境の時代のたびに読み直されてきた「東洋思想の華」、日本人のための「実践哲学」の真髄が、今よみがえる。
目次
第1部 王陽明の生涯(立志修業時代;受難と悟りの時代;武人・王陽明;陽明学の確立)
第2部 陽明学の思想(陽明学とは;心即理;知行合一;致良知;四句教;陽明学と感情;陽明学とゲーテの思想)
第3部 日本陽明学派の系譜(陽明学の伝来;幕末の陽明学者たち;明治以降の陽明学者たち;西郷隆盛と陽明学;政財界の黒幕、安岡正篤)
著者等紹介
林田明大[ハヤシダアキオ]
1952年長崎県島原市生まれ。独自に進めてきたゲーテ、シュタイナー、禅の研究を通して、シュタイナーと王陽明の思想に共通点を見いだす。以来、両者の比較と融合を繰り返しながら、94年に『真説「陽明学」入門』(第一版)を上梓、それまで「帝王学」とされてきた陽明学を、現代人のための生きたテキストとして捉えなおすことに成功した
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感想・レビュー
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isao_key
15
これまで書かれてきた陽明学書のほとんどが、説教じみた道徳的な教えに終始してきたのは、朱子学寄りの解釈に陥っていたためだとする。本書は3部構成で、1部に王陽明の生涯、2部では陽明学の思想、3部で日本陽明学派の系譜について紹介している。従来の研究では見られなかった陽明学とゲーテ、シュタイナーやクリシュナルムティの思想と比較して論ずる点は注目される。また日本の陽明学でも特に西郷隆盛と安岡正篤を取り上げ、現在まで世間一般に流布している説についての誤謬を正している。現行で陽明学を正しく理解するための最良のテキスト。2015/11/13
Yuma Usui
4
4度目の読了。ふと思い出して読んでみたが得るものがあった。特に知行同一と致良知の解釈が自分の中で微妙に変わった事が実感でき面白い読書になった。行動の哲学と言われるこの考えを実生活にどう活用するか考えていたら、アサーションやファシリテーションの知識が使えそうだと感じたのでまた関連付けながら読んでみたいと思う。2017/09/25
Yuma Usui
4
3度目の読了。読むたび新たな発見を楽しむことができた。王陽明の考えが、洋の東西を問わず、また古今関係なく賢人と言われる人の考えと相通ずる所があり、類似性にハッとさせられる。2015/10/27
Katsu Takahashi
4
現代で重視される問題解決型思考法や朱子学のアンチテーゼとして提起された陽明学の真髄を解説した「入門書」。 「心即理」、「知行合一」、「致良知」といったキーワードの数々は、まだ完全には腹落ちしていませんので、ビジネススクールでの課題本として読んで、また暫くしてから読み直したい本です。 ただ、王 陽明自身が、頭でばかり考えるのではなく、実践による実証主義の人であった点と、その兼ね合いでの「事上磨錬」が今の僕にとっては一番響いた言葉でした。2015/06/14
すすきみみずく
4
心即理、知行合一、致良知。心は万事万物の理であり、心と万事万物は一体であり、心の中の動きをも行為とみなし、四つの徳として、心の中に誰もが持っている物事の善いこと、悪いことを知る能力、「仁義礼智」の四つの徳を発揮して生きることが、自立への、迷いからの覚醒への、悟りへの道であるとする心学。武士道にもシンクロしており西郷隆盛を始め日本を代表する有力者の多くが陽明学を学んだのもうなずける。2013/11/30