内容説明
底無しの不況・金融破綻・企業の連鎖倒産・あふれる失業者…これは今の日本ではなく、第一次世界大戦後のドイツ社会の姿であった。そんな中、「画家になりたかった」のになれなかった、誰かを愛したいのに愛せなかった、不器用な一人の青年がいた。のちのヒトラーである。彼は自らの帝国をつくりあげることで、青春時代の“浮かばれない”想いから逃れようとしたのである。そして今、あの時のように“浮かばれない”想いを抱えた人が日本で増えてきている。時と国を超えて、再び「ヒトラー=愛と青春の迷い子」が登場しようとしているのだろうか。ヒトラーの人物像を浮き彫りにする。
目次
第1章 地上に生まれ落ちた男
第2章 “使命”は愛よりも重く
第3章 星の強制力
第4章 反重力「精神」
第5章 たった一人の「世界」改革
第6章 楽園追放者たちの再会
第7章 約束された愛
終章 未完の帝国