内容説明
演劇の遊戯性が原理主義の幻想を解体する。グローバル化と原理主義が絡み合う世界で、多文化主義をさらに超えた、異他なる者との共生を導く実践と思考。
目次
第1部 越境文化演劇の理念(生成のさなかにある演劇;越境文化演劇のアクチュアリティ;演劇的妄想;越境文化演劇の場所としての異郷;通過者としての存在)
第2部 越境文化演劇の世界‐空間(世界化の演劇;プトレマイオス的世界劇場;世界‐経験の演劇)
第3部 越境文化演劇の実践(歴史に向き合うということ;国民文化という幻想の興亡;越境文化演劇の実践形態としての反復;カリブの革命―越境文化的な屈折の実践;越境文化演劇の演者としての身振り;感情の発電所としての越境文化演劇)
著者等紹介
ヘーグ,ギュンター[ヘーグ,ギュンター] [Heeg,G¨unther]
演劇学・音楽劇研究。ナチス時代の内的亡命文学に関する研究で博士号取得後、1998年に18世紀ヨーロッパ演劇研究で教授資格を取得、2000年からライプツィヒ大学演劇学研究所教授・所長を2017年まで務め、演劇と歴史、演劇と越境文化研究などのプロジェクトで国際的な研究を推進した。また同大学演劇センター所長、国際ブレヒト学会副会長などを歴任した
平田栄一朗[ヒラタエイイチロウ]
演劇学・ドイツ演劇、慶應義塾大学文学部教授
津崎正行[ツザキマサユキ]
演劇学・ドイツ文学、慶應義塾大学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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論理に従属しない身体の演劇 多様な表現の等しい価値 ブレヒトの「分離」 底なしの遊動性 文化的伝統の実在という謬誤 現代文化の雑種性 西洋中心的な他者認識の危険 国民文化を球体と捉える考えへの反駁 非連続性、反復、非同時性 流動性、近さ、遠さ、隔たりの都市 人間とメディアの「流れ」 演劇学者は理論が「衣装」と知る 存在論的に無根拠な世界化 「根拠/基礎なき」世界経験 主体の意図より偶然性 全体の仮象との断交を要求 伝統の生産的反復と変形 脱配置された個々の実践や身振り 「見る場」としての劇場 要素の分離2025/04/25
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