内容説明
英語と決別し、民族語作家へ転身した現代アフリカ文学界の巨星、ケニアのグギ・ワ・ジオンゴらによる最初のギクユ語演劇作品。独立まもない70年代に地元の人々により野外舞台で演じられたが、やがて禁止処分に。何千何万というケニア人の死をもって贖われたイギリス植民地からの独立の大義が裏切られ、日本やアメリカを含むグローバルな搾取の構造のなかでの新旧カミリズ村の経験は、ケニア近現代史の縮図であるとともに、アフリカ全土、はては世界のポストコロニアル国家の底辺に生きる農民や労働者の生きざまをリアルに照らし出している。
目次
第1幕
第2幕
第3幕
著者等紹介
グギ・ワ・ジオンゴ[グギワジオンゴ] [Ng〓g〓 wa Thiong’o]
1938~。リムルのカミリズ村生まれ。在ウガンダのマケレレ大学時代から書き始め、自伝的小説『泣くな、わが子よ』(1964)は、東アフリカ最初の英語小説。1970年代末から母語であるギクユ語で書き始める。現在、カリフォルニア大学アーヴァイン校栄誉教授。来日4回(1976、1981、1992、2000)
グギ・ワ・ミリエ[グギワミリエ] [Ng〓g〓 wa M〓ri〓]
1951~2008。リムルのロロモ村生まれ。地元の中学卒業後、ケニア・郵政テレコム公社に勤務。のち、ナイロビ大学成人教育研究所から学位を取得し、同大学開発研究所に勤務した。1982年ジンバブエへ移り、1986年、同国の約200のコミュニティ劇団を統合して、ジンバブエ・コミュニティ演劇連合(ZACT)を結成。2000年に、国際交流基金の支援のもと、アフリカ文学研究会の招きで、劇団員10数名、および妻ワイリムなどを連れて初来日、京都、大阪、東京で公演した(この時、アメリカからグギ・ワ・ジオンゴも4回目の来日をしている)。2008年5月3日、ハラレ郊外で交通事故死
宮本正興[ミヤモトマサオキ]
1941年兵庫県生まれ。現在、中部大学・大阪外国語大学名誉教授。専門は言語学、アフリカ地域研究(言語・文学・歴史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ヘラジカ
nightowl