内容説明
近代絵画の始祖として、世界的に認識されているセザンヌ。この概念は誰が作り、どのように継承されてきたのか?フランス語圏、英語圏、ドイツ語圏、日本におけるこの“近代絵画の父‐セザンヌ”像の形成過程に5人のセザンヌ研究者が迫る。つづく第二部では、セザンヌに関する基礎概念と諸情報を多面的に編纂。生誕180年を記念する本書はセザンヌ芸術の理解に必携の「セザンヌ大全」である。
目次
第1部 セザンヌ―近代絵画の父、とは何か?(序論「近代絵画の父‐セザンヌ」とは何か?を問うことの意味;ピカソと師セザンヌ、近代性への道;英語圏における“近代絵画の父セザンヌ”像の形成と展開;セザンヌのりんご;ポール・セザンヌは、いつ、どのようにポスト印象主義者となるのか?―マイア=グレーフェのセザンヌ‐マレー比較論;「近代絵画の父‐セザンヌ」像は、日本で如何にして形成されたか?)
第2部 セザンヌ基礎知識(セザンヌ芸術の基礎概念;セザンヌの人生;セザンヌ研究の方法;セザンヌが生活し制作した場所;セザンヌと同時代の批評家たち;セザンヌのコレクターたち;セザンヌ展の歴史―生前と没後から現在まで;セザンヌ油彩画、所蔵国別一覧表;セザンヌ文献表)
著者等紹介
永井隆則[ナガイタカノリ]
1956年生。DEA(プロヴァンス大学)。博士(文学)(京都大学)。ポール・セザンヌ協会(Soci´et´e Paul C´ezanne)常任委員。京都工芸繊維大学准教授
カーン,イザベル[カーン,イザベル] [Cahn,Isabelle]
1954年生。M´emoire(de recherche approfondie),1988,´Ecole du Louvre(Paris)。ポール・セザンヌ協会(Soci´et´e Paul C´ezanne)常任委員。美術史家。オルセー美術館絵画部門主任学芸員、ポスト印象派(ゴッホ、新印象主義、ナビ派)コレクション担当。専門はフランス近代美術(マネ、ゴーギャン、セザンヌ、ナビ派など)
浅野春男[アサノハルオ]
1950年生。学習院大学大学院博士課程満期退学。フランス政府給費留学生として1979‐81年パリ第4大学に在籍(DEA)。元・沖縄県立芸術大学教授。美術史家
大木麻利子[オオキマリコ]
慶應義塾大学美学美術史学科後期博士課程修了。美術史家、翻訳家、慶應義塾大学文学部非常勤講師
工藤弘二[クドウコウジ]
1979年生。東北大学文学研究科博士課程単位取得退学。国立新美術館アソシエイトフェローを経て、ポーラ美術館学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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