内容説明
彼は誰か?かたや満面に笑みを浮かべ、かたや憂鬱に沈む裸体の少年を描いた2枚の絵。ともに1匹の雄羊をつれた彼らは「洗礼者聖ヨハネ」と通称されてきたが、その正体はいまだに特定されていない。彼らは誰なのか。これらの作品で画家は何を視覚化しようとしたのか。カラヴァッジョに残された最大の謎を解き明かす。
目次
序章(制作経緯;作品記述;研究の現状と問題の所在;方法論)
第1章 カピトリーノ美術館の通称“洗礼者聖ヨハネ”(先行解釈;検証)
第2章 ボルゲーゼ美術館の通称“洗礼者聖ヨハネ”(先行解釈;検証;新たな解釈)
おわりに
附録(“メドゥーサの首”の図像解釈;カラヴァッジョとバッティステッロ;“泉の洗礼者聖ヨハネ”をめぐる一考察)
著者等紹介
木村太郎[キムラタロウ]
1978年、北海道生まれ。2007年、大阪芸術大学大学院博士課程修了。博士(芸術文化学)。大阪芸術大学大学院助手、立命館大学文学部非常勤講師を経て、2012年よりイタリア政府給費留学生としてピサ大学美術史学科留学。現在、大阪芸術大学芸術学部非常勤講師。専門はバロック期イタリア絵画史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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