想起と忘却のかたち―記憶のメディア文化研究

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想起と忘却のかたち―記憶のメディア文化研究

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  • サイズ A5判/ページ数 336p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883034192
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C1020

出版社内容情報

「記憶のかたち」を産み出す社会的文脈から、「想起と忘却のかたち」を巡る闘争の場が如何に構築されるのかを明らかにしていく。記憶に「かたち」を与えるメディアの機能と役割は如何なるものなのだろうか。特定の「記憶のかたち」を産み出した社会的コンテクストを読み解き、「想起と忘却のかたち」をめぐる闘争の場がどのように構築されていくのかを明らかにしていく。

序 章
記憶のメディア文化研究に向けて
浜井 祐三子
1
はじめに 1
1. 「記憶」とは何か? 2
2. 「記憶」と「歴史」 7
3. 記憶の「かたち」―メディア文化と記憶 12
4. 本書の各論とテーマ 16

第1部 ナショナルな記憶のゆくえ
第1章 「想起の空間」としての「慰安婦」少女像
玄 武岩
はじめに 26
1. 少女像をめぐる記憶のポリティクス 27
2. モニュメントとしての少女像 30
3. 表象をめぐる確執―『帝国の慰安婦』の少女像批判を問う 34
4. モニュメントの拡散と表象の拡張 40
5. カノン化する少女像 44
6. 東アジアのトランスナショナルな「想起の空間」 47
おわりに 50

第2章 記憶は誰のものか?―多文化社会イギリスにおける「記憶」と「歴史」
浜井 祐三子
はじめに 56
1. 新たな「国民の物語」? 60
2. 記憶の「戦争」―2つの大戦と黒人系およびアジア系マイノリティ 63
3.「歴史を作る」―現代イギリスに見るエスニック・コミュニティ・ヒストリーの試み 71
終わりに 78

第3章 創造される記憶としてのニュージーランドネス―パケハのアイデンティティとノスタルジアとしてのキーウィアナ
原田 真見
はじめに 84
1. パケハとマオリ―歴史的概略 86
2. パケハの罪悪感と権利意識―二文化主義政策以降 90
3. パケハの揺らぎ―1980年代以降の経済政策 94
4. 文化的アイデンティティとしての「キーウィアナ」―再び過去へ 96
おわりに 106

第2部 記憶を表すかたち

第4章 スペイン独立戦争の記憶と表象―ゴヤ《1808年5月2日》と《5月3日》を中心に
増田 哲子
はじめに 114
1. 「独立戦争」と「1808年5月2日」という出来事の神話化 118
2. 主題:出来事の視覚化・結晶化―ゴヤの《5月2日》および《5月3日》とエンギダノスの版画 122
3. 《5月2日》と《5月3日》の同時代的な評価と受容 129
4. 神話にふさわしい表現を求めて―19世紀の歴史画における「5月2日」のイメージ 135
おわりに―「記憶」にふさわしい「かたち」をめぐって 147

第5章 「呼びかけと応答」―日系カナダ人アーティスト、シンディ・モチズキのアート・アニメーションにおける「記憶」の表現
西村 龍一・西村 美幸
1. はじめに 154
2. モチズキの経歴とパウエル祭 155
3. 『忘却と盲人』 158
4. 「呼びかけと応答」としての記憶 162
5. 『宵之春』のメッセージ 165
6. 「日本に人種的起源を有するすべての者」 168
7. ロトスコープ―ドキュメントとその知覚 171
8. おわりに―1927, 1942, そして1988 177

第6章 ネット空間上の集合的記憶―転換期中国における「80後」の集団的ノスタルジア
周 倩
はじめに 185
1. 中国の「80後」という世代 186
2. 集団的ノスタルジアと「80後」 188
3. 集合的記憶とインターネット 192
4. 「80後」の集団的ノスタルジアの特徴と内容構成 194
5. 「80後」の集合的記憶のテーマ 199
6. 「80後」の集合的記憶の形成要因 206
おわりに―集合的記憶におけるメディアの役割 212

第3部 忘却を超えて

第9章 死者の記憶が生きていたころ―吉田満と戦後
渡辺 浩平
はじめに 218
1. 新生日本のいとぐち 219
2. 期待の次元と回想の次元 223
3. 死者の身代わりとして生きる 227
4. 戦後が人間の顔をしていた時代 234
おわりに 241

第8章 日本人妻と日本語族を日本語でつなぐ―台北のキリスト教系デイケアセンター玉蘭荘の事例から
藤野 陽平
はじめに 246
1. 台湾における言語とエスニシティ、そして、それに絡み取られる宗教 247
2. 玉蘭荘とそこに集う人々 249
3. 「台湾のゆるやかな日本空間」―日本でも台湾でもなく 259
おわりに―日本語による記憶の場を産み出したキリスト教的文脈 264

第9章 「社会の記憶」とメディア―「セウォル号」をめぐる韓国社会の「記憶闘争」
金 成?
はじめに 269
1. 「社会の記憶」をめぐる闘争 271
2. 沈没するジャーナリズム 274
3. Podcast文化の台頭と定着 279
4. 「セウォル号」とPodcast 284
おわりに 289

特別寄稿論文 アジア太平洋戦争における日本軍と連合国軍の「慰安婦」
テッサ・モーリス=スズキ(翻訳協力:浜井 祐三子)
はじめに―問われないままの問い 293
1. 史料の問題 295
2. 広範な地域における「慰安所」ネットワーク 298
3. 前線における生活と状況 301
4. 徴用と移送の問題 304
5. 連合国軍と「慰安婦」 308
終わりに―別の未来を目指して 312


浜井祐三子[ハマイユミコ]
現職:北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授(メディア文化論)
専門分野:イギリス現代史、イギリス地域研究
主要業績:[著書]『イギリスにおけるマイノリティの表象―「人種」・多文化主義とメディア』(三元社、2004年)、『帝国の長い影―20世紀国際秩序の変容』(共著、ミネルヴァ書房、2010年)、[翻訳]パニコス・パナイー著『近現代イギリス移民の歴史―寛容と排除に揺れた200年の歩み』(共訳、人文書院、2016年)など

内容説明

記憶に「かたち」を与えるメディアの機能と役割は如何なるものなのだろうか。特定の「記憶のかたち」を産み出した社会的コンテクストを読み解き、「想起と忘却のかたち」をめぐる闘争の場がどのように構築されていくのかを明らかにしていく。

目次

記憶のメディア文化研究に向けて
第1部 ナショナルな記憶のゆくえ(「想起の空間」としての「慰安婦」少女像;記憶は誰のものか?―多文化社会イギリスにおける「記憶」と「歴史」;創造される記憶としてのニュージーランドネス―パケハのアイデンティティとノスタルジアとしてのキーウィアナ)
第2部 記憶を表すかたち(スペィン独立戦争の記憶と表象―ゴヤ“1808年5月2日”と“5月3日”を中心に;「呼びかけと応答」―日系カナダ人アーティスト、シンディ・モチズキのアート・アニメーションにおける「記憶」の表現;ネット空間上の集合的記憶―転換期中国における「80後」の集団的ノスタルジア)
第3部 忘却を超えて(死者の記憶が生きていたころ―吉田満と戦後;日本人妻と日本語族を日本語でつなぐ―台北のキリスト教系デイケアセンター玉蘭荘の事例から;「社会の記憶」とメディア―「セウォル号」をめぐる韓国社会の「記憶闘争」)
特別寄稿論文 アジア太平洋戦争における日本軍と連合国軍の「慰安婦」

著者等紹介

浜井祐三子[ハマイユミコ]
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授(メディア文化論)。専門分野:イギリス現代史、イギリス地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。