出版社内容情報
戦後日本の前衛美術運動のなかで、今日欧米でも高く評価されている「具体美術協会」(略称「具体」)。
パリ、ニューヨークが美術の〈中心〉だった時代、1954年に芦屋で誕生したこのグループは、実験性を謳歌し、印刷媒体と郵便制度を斬新に用いて、モダニズムに〈周縁〉から挑戦した。芸術における革新が〈中心〉で起こり〈周縁〉に伝播するという先入観を「具体」によって反証する画期的な視点の研究書。
Ming Tiampoに 河? 晃一
はじめに
第一章 オリジナリティを脱中心化する
吉原治良の形成期:大正時代におけるオリジナリティとトランスナショナル・モダニズム
具体のオリジナリティ戦略
オリジナリティ、個人主義、主体性
第二章 距離の相互詩学
読みかえる:ジャクソン・ポロックを脱中心化する
文脈を変える:年賀状と具体のメール・アート
軽量化する:具体の〈ポータブル〉
第三章 飛跡の行方:機関誌『具体』
吉原治良の戦後国際主義と機関誌『具体』
アメリカとの交流
ヨーロッパとの交流
第四章 具体美術展の地政学
東京/芦屋/大阪 1955年?1958年
ニューヨーク 1958年
トリノ 1959年
第五章 具体美術展における国際的同時性
大阪 1962年
アムステルダム 1965年
パリ 1965年
パリの余波:変わりゆく具体の受容
第六章 具体美術展の新しい方向
「第15回具体美術展」(1965年)
「グタイグループによる宇宙時代の美術展」(1967年)
大阪万博(1970年)
おわりに 具体の脱中心化がのこしたもの
日本語版のためのあとがき
資料
1:具体美術協会年譜
2:具体の会員一覧表
3:吉原治良の所蔵雑誌
注
参考文献
索引
写真クレジット
ミン・ティアンポ[ミン ティアンポ]
藤井由有子[フジイユウコ]
富井玲子[トミイレイコ]
内容説明
戦後日本の前衛美術運動のなかで、今日欧米でも高く評価されている「具体美術協会」(略称「具体」)。パリ、ニューヨークが美術の“中心”だった時代、1954年に芦屋で誕生したこのグループは、実験性を謳歌し、印刷媒体と郵便制度を斬新に用いて、モダニズムに“周縁”から挑戦した。芸術における革新が“中心”で起こり“周縁”に伝播するという先入観を「具体」によって反証する画期的な視点の研究書。
目次
第1章 オリジナリティーを脱中心化する
第2章 距離の相互詩学
第3章 飛跡の行方:機関誌『具体』
第4章 具体美術展の地政学
第5章 具体美術展における国際的同時性
第6章 具体美術展の新しい方向
著者等紹介
ティアンポ,ミン[ティアンポ,ミン] [Tiampo,Ming]
美術史家。プリンストン大学で学士号、ノースウェスタン大学で修士号と博士号を取得。現在、カナダ、カールトン大学大学院教授、同校比較文学・芸術センター所長。ベルリン文化調査研究所、テート・アジア太平洋リサーチセンターの顧問会議に参加。専門は日本戦後美術、美術とグローバリゼーション。Gutai:Decentering Modernismはアメリカのロバート・マザウェル出版賞で選外佳作となった。同書をもとにした2013年の「Gutai:Splendid Playground」展(ニューヨーク、グッゲンハイム美術館)は国際美術批評家協会よりテーマ別展覧会の最優秀賞を受賞
藤井由有子[フジイユウコ]
2012年にニューヨーク市立大学大学院美術史学部で博士号取得。専門は写真史
富井玲子[トミイレイコ]
美術史家、ニューヨーク在住。「ポンジャ現懇」主宰。テキサス大学オースティン校で博士号取得。専門は近現代美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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