内容説明
20点の挿画と画家直筆のテクストが印刷された総合芸術作品『ジャズ』は出版直後から高い評価を得たが、挿画の原画である切り紙絵作品は「晩年の気晴らし」として、研究者の多くに近年まで等閑視され続けてきた。このマティスの切り紙絵の世界に新しい光をあて、芸術的書物『ジャズ』とは一体何か、主題、主法、時代性などあらゆる側面から問い直す。
目次
マティス研究の新段階
第1部 『ジャズ』のイメージ(作品分析をめぐる問題;原画主題の原初性;原画制作に潜む遅延;主題の祝祭性)
マティス芸術における「シーニュ」の変容
第2部 『ジャズ』のイメージと文字(テクストに見る双対性―テクストについての考察・その一;テクストと挿絵制作―テクストについての考察・その二;『パラード』と第一次世界大戦―表題についての考察・その一;『ジャズ』と第二次世界大戦―表題についての考察・その二)
出版後の『ジャズ』
著者等紹介
大久保恭子[オオクボキョウコ]
大阪大学大学院文学研究科芸術学専攻博士課程(後期)退学(単位取得修了)(1996年)。博士(文学)。現在、京都橘大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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