内容説明
改革開放につづくグローバル化の進行により、中国における人の移動は激動の時代を迎えている。本書は、中国朝鮮族、なかでも東アジア3カ国語に熟達した高学歴朝鮮族に焦点をあて、その中国、韓国、日本に広がる移動のパターンと、それぞれの移動先における社会的文化的相互作用のダイナミックな実態を、教育人類学のフィールドワークに基づき詳細に報告する。北京郊外に登場する新居住区、子どものための言語教育戦略や、ハイブリッド化していくアイデンティティの様相など、東アジアの将来を見据える上で必読の書である。
目次
グローバル化時代の朝鮮族の移動と言語教育
第1部 中国東北部における朝鮮族学校の二言語教育(中国における朝鮮族学校の二言語教育の実態とその変容―延吉市とハルビン市の事例)
第2部 朝鮮族の中国内における移動と言語意識の変化(北京の「韓国城」(コリアンタウン)―改革開放が生み出した新しい都市コミュニティ
北京へ移動した朝鮮族の言語意識と子どもの教育―中国語、英語の重視と「民族語」の維持をめぐって)
第3部 朝鮮族の国際移動とアイデンティティの変容(高学歴者が「帰郷」するとき―韓国在住の朝鮮族のアイデンティティの揺らぎをめぐって;ソウルのガリボン「同胞タウン」―朝鮮族労働者と韓国人市民団体が共同で創りあげた街;高学歴朝鮮族の先を見つめる子育てとハイブリッド・アイデンティティ)
移動からみる朝鮮族のアイデンティティと教育戦略
著者等紹介
趙貴花[チョウキカ]
1976年、中国・ハルビン生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育学博士)。専門領域は、教育人類学、アジア研究。成蹊大学アジア太平洋研究センター特別研究員を経て、同研究センター客員研究員および城西国際大学語学教育センター非常勤講師を務める。主要論文に「グローバル化時代の少数民族教育の実態とその変容:中国朝鮮族の事例」(『東京大学大学院教育学研究科紀要』第47巻、2008年、日本国際文化学会研究奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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