内容説明
戦後日本列島に「襲来」するゴジラをめぐる知識社会学。誕生から60余年をへて戦後日本サブカルチャー史に確固たる位置を占める「ゴジラ」シリーズはじめ特撮怪獣映画・テレビドラマ。これらの作品群のかかえる寓意や政治性‐思想性をめぐりさまざまな言説がくりひろげられてきた。制作陣・観衆が共有した戦争体験・戦争観や「南方幻想」など地政学感覚や、歴史意識を整理しながら、軍事大国化への夢想やオリエンタリズムなど、批評家たちの無自覚な自己投影をえぐりだす。
目次
1章 「戦後」のおわりと“Kaiju”のグローバル化
2章 「怪獣の襲来」というモチーフの背景:被害者意識と加害者意識への言及の政治性
3章 アメリカ人のゴジラ受容
4章 B級SF映画を素材とした右派たちの恣意的解釈(戦争/軍備)と、大学人の懸念
5章 ゴジラ/モスラに、かげさす安保体制
6章 「南方」幻想/南島イデオロギーとそのかたられかた
7章 特撮怪獣作品などの宿命と、その虚構ゆえの可能性
怪獣作品の寓意と怪獣論の政治性をとう意味
著者等紹介
ましこひでのり[マシコヒデノリ]
1960年茨城県うまれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士:教育学)。日本学術振興会特別研究員などをへて、現在、中京大学国際教養学部教授(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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