内容説明
パラケルスス、トリテミウス、ピクトリウス、アグリッパそしてルターは、伝説に登場する表象をいかに位置づけていったのか。動物のデーモンや巨人は、どのように超自然的な存在から、ただの動物や人間となったのか。伝説を史料として民衆の俗信の変化、表象の変容を、歴史民俗学、精神史や民衆史の観点から描き出した画期的試み。
目次
動物のデーモン
滅びゆくものたち
野人たち
荒猟師と憤激する軍勢
木に棲む女
鬼神説
山の精
元素の精
ヴァーレ人たち
結び
著者等紹介
ポイカート,ヴィル‐エーリヒ[ポイカート,ヴィルエーリヒ] [Peuckert,Will‐Erich]
1885‐1969。ドイツの民俗学研究者、著作家。現ポーランドに属する下シレジア地方テッペンドルフ(T¨oppendorf)に生まれる。ブレスラウ(現ヴロツワフ)の大学で歴史学、ドイツ文学/ドイツ語学、民俗(族)学を学び、1927年に博士号を取得、1932年には教授資格審査に合格する。ナチス政権下の1935年から約10年間公職追放の憂き目にあう。戦後1946年から1959年まではゲッティンゲン大学の民俗学研究所の教授をつとめた
中山けい子[ナカヤマケイコ]
一橋大学社会学部卒業、ドイツ、フライブルク大学卒業(Magister Artium)、マールブルク大学博士課程単位取得退学の後、米国サンノゼ州立大学大学院に学ぶ。米国IT企業の知的インターフェース技術、自然言語処理部門およびグローバリゼーション部門に勤務の後、現在は英独翻訳家。専攻はヨーロッパ民族学、ゲルマニスティク(ドイツ文学/言語学)、歴史学、社会学、コンピュータ言語学。研究および興味の対象はドイツ語圏を中心とした昔話や伝説、風刺マンガ、ことわざなどを含む口承文芸や中世文学、年中行事や通過儀礼の習俗、文化財の中でも陶磁器の歴史、家族問題、移民社会、多言語社会、民俗学学史、中世社会史、近現代史、言語人類学、意味論、言語習得、語用論、会話分析、言葉の力、言語と脳、コンピュータ言語学、機械翻訳技術など―対象は多岐にわたるが、常に比較する視点を取り入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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