内容説明
ヒトはなぜ走りつづけるのか。ネット社会をはじめとした技術革新、移動や情報伝達の超高速化は、時間的ユトリや幸福をもたらさず、皮肉にも、不安とあせり、そして格差を助長する。ヒトをおいたてる現代社会の切迫感はどこからくるのか。「時間泥棒」の正体に肉迫する。
目次
1章 加速化のとまらない現代
2章 おおきく、おもたく、永続しようとする存在から、ちいさく、かるく、流動消失しようとする存在へ
3章 「待子サン」たちの時間:加速化のなかのジェンダー変容
4章 「おれさま」意識(ジャイアニズム)と、「せかす」圧力
5章 スピード感への耽溺現象の人類学
6章 「ユックリズム」の含意とゆくえ
7章 つかいきれない速度:大量生産・高速輸送がもたらす飽和と大量廃棄
8章 人材のマクドナルド化:新兵補充と「リストラ」
9章 「自然」とマクドナルド化など加速化社会
著者等紹介
ましこひでのり[マシコヒデノリ]
1960年茨城県うまれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(博士:教育学)。日本学術振興会特別研究員などをへて、現在、中京大学国際教養学部教授(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
4
後期近代において、日常生活は加速化されている。衛生面が改善され長寿化すると、人生の選択肢は増えた。だが、「やれそうなこと」があまりに多くあると、目移りし、すべてをやるには「時間」がない。そこに焦りが生じる。……といったことを社会構造と心理面において追及しているが、正味、印象論の感は拭えない。加速化されすぎて家にいても本の通販とネット情報だけで済ませられる現代社会を皮肉ってやっているのかもしれないが、ウィキを参考文献に挙げる社会学者って何なんだ、という印象もある。2024/04/01
のせなーだ
0
各章のポイントがまとまっていない、引用も多く、引用からの発展がない、なんだか読み進みにくい。「マクドナル化」という言葉のエコー。 明日が続いてくる先の長い若い時は、後ろを押されるまま急いだ生活、時間には追いつけないままの感覚で過ぎ、なんとなく体内時計を知り、時間の主導権を握れる頃は、明日がいつまであるのやら、先が見える体が衰える頃だな。星空を見上げ、季節の花や木々を鑑賞、後ろを押されず歩く、すると不快な危険な自転車の加速。親の死に目に急いでいるなら許せよう。自転車もいずれゴミ、歩行は一番エコ生活。 2015/11/27
under
0
問題提起としては良いのかもしれないけど、いかんせん独特の書き方で読みにくく、話も飛びまくって、今何について論じているのか分からなくなることがしょっちゅう起こる。 2014/12/21