内容説明
植民地映画はいかにして「国家」を発見したか。1930年代末から1945年にかけて植民地朝鮮で製作された劇映画『志願兵』『半島の春』『家なき天使』、そして戦後の名作『嫁入りの日』などの表象分析をとおして、帝国日本と植民地エリートのあいだで密かにおこなわれた「国家」と「協力」をめぐる交渉と競合、そしてポスト植民地国家への連続性の位相を明らかにする。
目次
プロローグ 一九四一年の京城、ある日記、ある映画
第1章 帝国日本の朝鮮映画、韓国映画史の苦境
第2章 協力の心情―“志願兵”前夜、あるいはメランコリーの日々
第3章 協力の制度―『半島の春』とトーキー時代の朝鮮映画
第4章 帝国と朝鮮、啓蒙主体をめぐる競合―『家なき天使』を中心に
第5章 帝国とローカル、変転する物語―『孟進士宅の慶事』をめぐる民族表象
エピローグ 映画、国家、そしてトランスナショナルな旅
著者等紹介
李英載[イヨンジェ]
1974年生まれ。1995~2002年韓国の映画批評誌「KINO」の記者および編集者として勤め、2002年渡日。2010年東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士後期課程単位取得退学。2008~2010年東京大学の共生のための国際哲学研究センター(UTCP)研究員を経て、2011年プチョン国際ファンタスティック映画祭のプログラマーとして在職。現在、成均館大學校比較文化研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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