内容説明
霊魂不滅論とルネサンス思想。なぜ霊魂は不死でなければならないのか。神と人間の関係からヒューマニズムの源をさぐる。フィチーノ、ピコ、ポンポナッツィ、ブルーノの原典テキスト部分訳(本邦初訳)付。
目次
第1部 マルシリオ・フィチーノ(『プラトン神学』と霊魂不滅の伝統―特に「自然的欲求」をめぐって;『プラトン神学―霊魂不滅(不死)論』部分訳)
第2部 ピコ・デッラ・ミランドラ(宇宙における人間の地位とその本性;『ジロラモ・ベニヴィエニの「愛の歌」註解』部分訳;『ヘプタプルス』部分訳)
第3部 ピエトロ・ポンポナッツィ(霊魂の不滅性と自然主義;『霊魂不滅論』部分訳)
第4部 ジョルダーノ・ブルーノ(世界霊魂と個人の魂―イタリア語著作を中心に;『英雄的狂気』部分訳)
著者等紹介
根占献一[ネジメケンイチ]
1949年生まれ。現在、学習院女子大学国際文化交流学部教授。ルネサンス文化・思想史
伊藤博明[イトウヒロアキ]
1955年生まれ。現在、埼玉大学教養学部教授。思想史・芸術論
伊藤和行[イトウカズユキ]
1957年生まれ。現在、京都大学大学院文学研究科教授。科学史
加藤守通[カトウモリミチ]
1954年生まれ。現在、上智大学総合人間科学部教授。哲学、教育思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
8
ルネサンスにおける民衆信仰の影響を知りたいと思ったが、ちとちがった内容だった。なんとキリスト教では死人は肉体ごと復活して審判に臨む。そう言えば火葬しない。だから彼岸でも個性が残る。肉体から不死の魂が抜け出るのはヘレニズムの方で、ルネサンス期に再発見されたプラトンの影響が大きいらしい。プラトンは魂に個性を認めてるようだが、ブルーノなどは死ぬと魂は一つになるという神秘主義的思想の方にも影響を受けていて、キリスト教と相容れない。西洋文化はギリシャ・ローマとキリスト教の混合とは聞いてたけど、かなり最近の混淆だ。2023/09/11
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