内容説明
世紀転換期ドイツの産業化/世界政策と併行して展開した、プロイセンはじめ諸王国における建築・工芸・デザインをめぐる改革、アーツ・アンド・クラフツ運動の受容と田園都市運動の推進の諸相をあきらかにし、ドイツ工作連盟でたたかわれた建築とデザインの「定型(規格)化」か、芸術の「独自性」か、をめぐる論争の今日的意味を問う。バウハウスの栄光の影に隠されたドイツ建築・デザイン史。
目次
序章 ドイツ帝国におけるデザイン改革の政治性
第1章 ドイツ中・南部諸国におけるデザイン改革 1890‐1914年
第2章 プロイセン商務省とアーツ・アンド・クラフツ運動の教え
第3章 プロイセンの工芸改革―文化・階級・近代経済
第4章 国家ならびに民間による改革推進力のドイツ工作連盟への収斂
第5章 ヘルマン・ムテジウスの設計活動―政府の仕事と工作連盟の実践の狭間で
第6章 ヴィルヘルム帝政期の田園都市運動とその文化的断層
第7章 工作連盟の政策と世界政策―グローバル経済と“グッド・デザイン”に対するドイツ政府の関心 1912‐1914年
終章 結論
著者等紹介
マシュイカ,ジョン・V.[マシュイカ,ジョンV.] [Maciuika,John V.]
ニューヨーク市立大学バルーク校教授(美術・建築史)。専門は、近代建築・デザイン史。カリフォルニア州立大学バークレー校にて、Hermann Muthesius and the Reform of German Architecture,Arts,and Crafts,1890‐1914で、博士号取得。ヴァージニア建築大学・建築史准教授を経て現職。現在、ニューヨーク市立大学バルーク校ならびに同校大学院センターで美術・建築・都市計画・装飾芸術史を教える
田所辰之助[タドコロシンノスケ]
日本大学理工学部建築学科教授。日本大学大学院建築学専攻博士後期課程単位取得退学。専門はドイツ近代建築史・建築論。博士(工学)
池田祐子[イケダユウコ]
京都国立近代美術館主任研究員。大阪大学大学院文学研究科芸術学専攻博士後期課程単位取得退学。専門はドイツ近代美術・デザイン史。最近の論文に「『Dekorative Kunst』誌とユーゲントシュティール―マイアー=グレーフェとムテジウスの視点から」(西川智之編『日本独文学会研究叢書:世紀転換期ドイツ語圏の芸術誌の諸相』2014年)、「ドイツ世紀転換期の装飾とフォルムに見られる日本と自然に関する言説―ユーゲントシュティールの盛衰とその背景」(馬渕明子編『国際シンポジウム「装飾とデザインのジャポニスム」報告書』2014年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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