内容説明
近代の美術作品において色彩表現はラディカルに追求されたが、その本質への解釈や議論はいまだ尽くされないままだ。捉えがたい色彩、それを「知覚の現象学」から問いなおし、近代美術の理解を刷新する、26人による研究集成。イメージの色彩表現に芸術作品の根本を問う。色彩考察のための基本資料となる「用語集」「主要研究資料」を所収。
目次
1 はじめに(近代絵画論の再構築へ―色彩研究の立場から)
2 色彩の革命―十九世紀の美術(シュヴルルの色彩論―色彩の同時コントラストの法則とその受容についての一考察;J.M.W.ターナーの色彩研究 ほか)
3 色彩への挑戦―二〇世紀における古典的近代(キュビスムと色彩、もう一つの物語;マティスの色彩 ほか)
4 色彩のいま―第二次世界大戦後の現代美術(明暗としてのオール・オーヴァー―ジャクソン・ポロックと写真;ポップ・アートと色彩 ほか)
5 色彩のゆくえ―検証の視点(近代テキスタイルと色彩―ヨーロッパの染色史からたどる;色彩に寄りそって―絵具とヴァルール ほか)
著者等紹介
前田富士男[マエダフジオ]
中部大学教授。慶應義塾大学名誉教授。専門は西洋近代美術史・芸術学。1944年生。慶應義塾大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。