内容説明
女性がその青春の終わりまでに、もはや一個の廃品でしかないという悲劇は、近代日本の荒廃を如実に物語っている。廃娼運動は、苦界に沈む女性の救済に献身し、この荒廃をもっともラディカルに告発しつづけた唯一の市民運動にほかならない。―「廃娼運動」「大連廃娼事始め」「廃娼運動思想の往還」ほか。
目次
第1部 廃娼運動―廓の女性はどう解放されたか(媚妓解放の曙;廓清旋風;からゆき物語;灰色の季節;日本人のエロス;「非常時」の性)
第2部 大連廃娼事始め(大連廃娼事始め―明治社会事業の一齣;公娼制度の定着と婦人救済運動―二〇世紀初頭大連において;公娼制度成立前後―二〇世紀初頭大連の場合;廃娼運動思想の往還―満洲婦人救済会に関連して;沖野岩三郎『娼妓解放哀話』解説;一九二〇年代朝鮮人娼妓・朝鮮人問題と廃娼運動の関係;売春防止法)
資料編
著者等紹介
竹村民郎[タケムラタミオ]
1929年、大阪生まれ。元大阪産業大学経済学部教授。国際日本文化研究センター共同研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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