ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者

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  • サイズ A5判/ページ数 269p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883032785
  • NDC分類 771
  • Cコード C0070

内容説明

近年日本でも「ドラマトゥルク」を名乗る者が現れている。しかし演劇・ダンス界の当事者すら、まだその本当の役割を知らない。ヨーロッパの舞台芸術制作の現場では必須の存在となっている彼らは演出家でも脚本家でも役者でもない特別な位置に立ち、作品にかかわる全ての者・事をつなぎあわせ、より高い次元に導くための知的で人間的な機能を果たしている。ドラマトゥルクの知られざる歴史と役割を初めて詳しく紹介し、日本における導入の可能性についても考える。

目次

第1章 概要
第2章 ドラマトゥルクの歴史
第3章 制作ドラマトゥルギー
第4章 観客ドラマトゥルギー
第5章 危機・対応・養成
第6章 ドラマトゥルクと日本演劇

著者等紹介

平田栄一朗[ヒラタエイイチロウ]
1969年東京生まれ。1997年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2004年より慶應義塾大学文学部准教授。専門:ドイツ演劇・演劇学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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やまねっと

3
買ってからしばらく寝かせておいたのだが、読んでなぜもっと早く読んでおかなかったのかと後悔した。読んで、考え方が少し上方修正できたと思った。 観客ドラマトゥルギーの章を興味深く読んだ。プログラムノートなんかは日本でも取り組んでもらいたいものだ。 この本は2010年出版。現在はどうなのかというのが気になるのだが、私が思うにドラマトゥルクがいようがいまいが、面白い作品を見せてくれたらそれでいいのだ。ドイツの演劇界は社会との繋がりを意識してるけど、日本では希薄だ。そこを汲まないと道は見えてこないのではないか?2020/02/19

メルセ・ひすい

2
14-55 赤64先ず概要邦訳名無し・科研費名‘07~‘10「ドイツと日本に於ける演劇・パフォーマンスの実践的ドラマトゥルギー研究」。ドイツ政府労働省の職分。ジャーマンモデル(劇作家・演出家・俳優・舞台美術家・演劇制作)・劇場に於ける役割は、三つのドラマトゥルギー①演目②制作③観客を十分満遍なくこなせること。ヨーロッパの公共劇場では多数のドラマトゥルクが雇用されて劇場と演劇制作をカバーする。俳優・演出家が休みの期間でも企画やレパートリーの策定の調査、検討、連絡をし、稽古のアシストをする2011/02/19

彼方

1
冒頭50pの概要のみ読。参考文献が100近くもあり本格的なので大人しく死んだ。ドラマトゥルクが演劇での学際だと理解できた他、ドイツ語圏含む一部欧州諸国で「劇場は、学校・大学・図書館・美術館とならび主要な文化施設とみなされている」(p35)やその理念としての「趣味判断の陶冶と洗練」という発想が面白かった。趣味の陶冶を教育が担うとか日本であまり聞いたことがない。演劇を社会の中で生き残らせた一つのケースとして、またそれが単なる懐古主義ではなく社会への還元があるよとある程度示したものとしてかなり現実的な書だった。2012/05/28

朝野まど

1
ドラマトゥルクになりたいと思い始めたので手にとった一冊。なぜどろまトゥルクになりたいかと言うと、一つはそれがトリックスター的性質を持った職業だから、そしてもう一つはドラマトゥルクという響きが格好良いから。演劇には強く必要な職業だと思うが、日本の芸術政策や国民性のせいで受け入れられていない。今後、職として台頭してくるものなので是非演劇人には読んで欲しい。2012/05/12

MaRuTaTSu

0
多数のインタビューを基にした著述は参考になったし、自分に必要となりそうな文献をいくつか示してもらえた。ただ、年号や劇場の名称など、どこを参照したのかと聞きたくなる誤植がいくつか見られるのが残念。これを教訓に、自分も今後さらに気をつけなければ。2015/05/15

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