内容説明
20世紀初頭、「近代」の波濤は中欧の古都プラハにも激しく打ち寄せた。カフカをはじめとする「プラハのドイツ語文学」の作家たちもまた、生活世界のいちじるしい変貌と深刻な民族対立に巻き込まれていく。彼らの都市小説を社会文化史から読みとく、意欲的なモダニズム論。
目次
序章 国民文学史の境界―「プラハのドイツ語文学」研究史をめぐって(沈黙する国民文学史;表現主義論争からカフカ会議へ;「プラハのドイツ語文学」の研究プログラム;プラハ・ドイツ語と逸脱論的思考;研究状況の拡散;プラハ神話とその機制;本書の課題)
第1章 文化と政治―世紀転換期のプラハ・ドイツ社会(ある知的葛藤の風景;ボヘミアの民族対立とプラハ・ドイツ社会;文化の政治化;杜座された自助的社会;対抗文化の萌芽;文学研究と想像の空間;父親的世界を超えて)
第2章 都市空間の近代化と「魔都」の表象(都市空間の歴史的形成;産業博覧会と衛生化措置;モダン都市への二重のまなざし;プラハ小説の系譜;制御不能性の表象;室内と郊外)
第3章 モダン都市と「交通」の表象(往来と娼館;流通するエロス;越境のユーとぴぱ;「交通」エスノグラフィー;都市経験と物語)
著者等紹介
三谷研爾[ミタニケンジ]
1961年京都生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。大阪府立大学総合科学部をへて現在、大阪大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専門分野はドイツ・オーストリア文学、中欧文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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