内容説明
“表象不可能なもの”を描く幻視絵画。こんにち最も注目される気鋭の美術史家が、幻視絵画の精華である17世紀スペイン絵画に仕掛けられた錯綜したメカニズムを鋭利に読み解き、わたしたちを瞠目すべき結論へと導く。
目次
第1章 彼岸を枠に嵌める―定義を求めて
第2章 幻視とメタ言語
第3章 幻視と絵画
第4章 遠望
第5章 絵画の製造
第6章 神秘なるエロスの表象
第7章 観る身体
結論―幻視体験の表象をめぐる二一のテーゼ
著者等紹介
ストイキツァ,ヴィクトル・I.[ストイキツァ,ヴィクトルI.][Stoichita,Victor I.]
1949年、ルーマニアのブカレスト生まれ。ローマ大学で哲学博士号を取得ののち、1989年にパリ、ソルボンヌ大学で国家博士号を取得。1991年以降フリブール大学(スイス)教授として近現代美術史を講じるかたわら、国際的な研究教育活動に従事している。その主要な著書は、さまざまな言語に翻訳され大きな反響をもたらしている。日本でもすでに多数の邦訳書がある
松井美智子[マツイミチコ]
仙台市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了(美学・西洋美術史専攻)。東北大学助手、西南学院大学助教授を経て、東北学院大学教養学部教授。専門は十六、十七世紀のスペイン美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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