目次
第1章 風景の記念碑
第2章 数点の“死の島”
第3章 範となる作例
第4章 無常という主題と文明に対するペシミズム
第5章 戦争とペスト、すなわち生あるものすべての壊滅
第6章 “死の島”と“生の島”、ひとつの比較
第7章 英雄の墓
第8章 荘重な最後の調べ
第9章 社会・政治的背景
第10章 受容
著者等紹介
ツェルガー,フランツ[ツェルガー,フランツ][Zelger,Franz]
1941年、ルツェルンに生まれ。チューリッヒ大学で博士の学位を取得した後、ヴィンタートゥーアにあるオスカー・ラインハルト財団美術館長となり、キャンベラにあるオーストラリア国立大学の客員研究員となった。1983年以来、チューリッヒ大学の美術史学教授
高阪一治[コウサカカズハル]
1947年、大津市生まれ。1982年、同志社大学院文学研究科博士課程後期(哲学および哲学史専攻)満期退学。現在、鳥取大学教育学部教授。専門は19世紀のドイツ美術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yn1951jp
12
若き未亡人からの依頼で「夢想するための絵」として作成されたべックリーンの「死の島」。1880年代に5枚のバリエーションが描かれ、ナチスの理想と共鳴するものとして一時ヒトラーも所有したという。キリコ、エルンスト、ダリ、H・R・ギーガー、横尾忠則らもこの図像を取り上げ、ラフマニノフ、レーガー、カール・ヴァイグルらが作曲している。この恐ろしい静寂に満ちた『黄泉のランドスケープ』が 「癒し」 をもたらすとされ、20世紀初頭のドイツでは一般家庭に複製が飾られ、郵便切手にも取り入れられたというのが信じられない!2014/09/10
m
3
名画に関する本を読んでいて印象的だったベックリーンの「死の島」。当時はこの名称で呼ばれていたわけではなく、複製が部屋に飾られたり絵葉書になったり廃墟ブームに上手くマッチしたのかな。ベックリーンについて書かれた本は少ないので貴重。意外と多くの絵を描いていたことがわかる。2022/04/30
ゆめどら
1
好きな画家の好きな絵を巡る評論。確かに、彼の絵には文明に対する失望という解釈で読み解ける作品が多いかもしれない。2012/11/17
スエ
1
オールカラーだったら文句なしなのに。2010/08/04
fantamys
0
成立背景から後の影響まで幅広く。2016/05/02