作品とコンテクスト
フランシス・ベイコン 磔刑―暴力的な現実にたいする新しい見方

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  • サイズ B6判/ページ数 137p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883031696
  • NDC分類 723.33
  • Cコード C0071

内容説明

暴力に晒され、暴力に苛まれる人間の姿を描き続けた20世紀絵画の巨匠フランシス・ベイコン。ナチスによる残虐行為をテーマに潜ませたこの絵を、ドイツ人である著者が詳細に腑分けし、画家が切り拓いた「現実にたいする新しい見方」を探り出す。

目次

ぼくは何も語らない
きわめて統一のとれた明快な背景
すばらしく便利な架台
筆のひと掃きの行方
生か死かは、投げられたコインの裏表
腕のまわりの赤
口の形はどのように変質してゆくのか
何かをするでもなく
絶対絵画へのアプローチ
人間の行動のひと幕
強調され、かつ孤立した位置
ストーリーを語らずに多くの人物を描く
くりかえし新しく創出されるリアリズム

著者等紹介

ツィンマーマン,イェルク[ツィンマーマン,イェルク][Zimmermann,J¨org]
1946年生まれ。ハノーファー単科大学における美術史と芸術学の教授、およびハノーファー総合大学の哲学の講師の職歴あり。主要な研究分野は美学、記号論、解釈学、近代美術史

五十嵐蕗子[イガラシフキコ]
1972年早稲田大学大学院文学科博士課程単位取得修了。ドイツ文学・ドイツ語学専攻。1969年よりドイツ文学・ドイツ語教員として活動。現在、国立音楽大学専任講師

五十嵐賢一[イガラシケンイチ]
1943年生まれ。早稲田大学文学部大学院博士課程修了。フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

13
丹念な図像観察(絵画のマチエールの濃淡にまで注目する)を基本として、トリプティク(三幅対)の形式的特性、西洋における磔刑図の系譜、ベイコンの証言や、他作品との比較、イメージソースとなっている画像、などなど、様々なアプローチからミュンヘンの《磔刑》図に迫った一冊。「物語る」絵画を嫌ったベイコンだけに、作品は多義性に開かれており、本書の中でも最終的な解釈の結論のようなものは述べられていない。その意味で作品を眺める際の視点を深化し拡げてくれる役割を果たす本だと言える。2021/12/03

fantamys

1
ベイコンのこの絵をどう読み解くか。2016/02/01

碧泉

0
生まれながらにキリストの十字架の象徴を知らない私は、理解しがたいところもありましたが、ベーコンの無に属して行くその姿は、とても共感をえました。2009/11/30

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