内容説明
革命の母国フランスから「植民化なき植民地」として扱われてきたコルシカの人々の言語・文化・社会の形成と変容を明らかにするとともに、地域の視点から、国民国家、ヨーロッパ統合をとらえ直す。
目次
第1部 コルシカにおける民族意識の形成(「コルシカ方言」、「コルシカ語」の形成と知識人の関係について;現代フランスの地域主義―一九六〇年代コルシカを中心に;コルシカにおける共和主義の受容と拒絶―近代からコルシカ民族主義と政治階層「クラン」による支配;「コルシカ人」とメディア)
第2部 単一性と多元性のはざまで―欧州統合時代のフランス共和国とコルシカ(ミッテラン地方分権政策とコルシカ―コルシカ州議会の設置(一九八二年)と一九八〇年代におけるコルシカ社会の変動
一九九〇年代のコルシカ―「コルシカ人民」をめぐる共和主義論争と大幅な制度改革、コルシカ民族主義運動の瓦解
現代フランスにおける言語問題―地域語とフランス共和国
九〇年代後半のコルシカ語の復権と「併用公用語」論―併用公用語と多言語主義、共和主義との関係
コルシカ制度改革と共和主義論争
統合ヨーロッパとフランス共和国、コルシカ)
著者等紹介
長谷川秀樹[ハセガワヒデキ]
1970年和歌山県生まれ。1993年立命館大学国際関係学部卒業。1998年立命館大学大学院国際関係研究科博士課程修了・学位取得。日本学術振興会特別研究員、立命館大学非常勤講師を経て1999年千葉大学助手(大学院社会文化科学研究科・現職)
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