植民地のなかの「国語学」―時枝誠記と京城帝国大学をめぐって (新装版)

植民地のなかの「国語学」―時枝誠記と京城帝国大学をめぐって (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883030408
  • NDC分類 810.12
  • Cコード C0081

出版社内容情報

時枝誠記にとって植民地朝鮮とはいかなる場であったのか。その言語理論「言語過程説」からどのような「国語政策」が導き出されたのか。「国」の名を冠した学問体系に絡め取られていった一国語学者の時代像。

内容説明

国語学者・時枝誠記にとって植民地朝鮮とはいかなる場であったのか。その言語理論「言語過程説」から、どのような「国語政策」が導き出されたのか。「国」の名を冠した学問体系に絡め取られていった一国語学者の時代像を、当時の研究者の議論や朝鮮総督府の政策などとともに、総合的に描き出し、「国語学」の構造を浮き彫りにする。

目次

序章 「一国国語学」の閉鎖性
第1章 東京帝国大学国語研究室と京城帝国大学
第2章 時枝の言語観と言語政策への関心
第3章 「皇国臣民の誓詞」をめぐって
第4章 時枝誠記の言語政策関与の論理
第5章 朝鮮総督府の国語普及政策と時枝の国語普及方針
第6章 時枝誠記以外の「国語一元化」論
第7章 京城帝国大学在職の言語・文学系統研究者の異言語意識
終章 敗戦後との関わり―「一国国語学」をこえて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NICK

3
自分が時枝誠記に興味を持ったのは浅田彰や柄谷行人らが編集した『必読書150』に『国語学原論』が載っていたこと、大学で時枝の言語過程説についての講義があったことが理由で、実際に『国語学原論』を読んでみるとそのソシュール批判や言語過程説の目新しさ(妥当さはともかくとして)をなかなか面白く思っていた。しかし、この本によれば、時枝の提唱した学説は結局のところ帝国主義的な国語学、つまり植民地における言語一元化といった政治暴力のなかでの国語学の域を出ていないという。このことは実際ショックだ……2012/04/10

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