出版社内容情報
母の慈愛を受け、その膝で眼る幼児キリストの姿に、未来の「死」の予兆がなぜ読みとられるのか?描かれた「死」の豊穣なる展開にイタリア・ルネサンス美術に潜む美の水脈をよみとく。
内容説明
イタリア・ルネサンス美術におけるキリストの「死」の表現は、おもに祭壇画という礼拝空間で、様式や宗教的意味づけなどと多層的な影響関係によってさまざまな姿を見せる。ビザンティン美術から発したその図像の流れを、巨匠ドナテルロを基軸に、イタリア各地での画家の動きと相互関係とともに詳細にあとづけ、ルネサンス美術の底流に潜む美の水脈を浮かびあがらせる。
目次
第1章 東と西の中世美術
第2章 フィレンツェ・ルネサンス彫刻
第3章 パドヴァのドナテルロ彫刻
第4章 北イタリア絵画の勃興
第5章 死せるキリスト図の展開
第6章 眠れる幼児キリスト―死せるキリストの転成
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
午後
3
「死せるキリスト」像の変遷を中心に、ビザンティン美術からドナテルロ、北イタリアのヴィヴァリーニ工房への影響関係を明らかにしていく、詳細で鮮やかな論考。「死せるキリスト」像の多様なヴァリアントが見られるだけでなく、ルネサンス期の各地の影響関係や通時的な様式の変遷がわかりやすく解説されている。また注や参考文献も充実していて嬉しい。素晴らしい労作だと思う。2021/12/25
陽香
3
199401252016/10/11
やぐ
0
◎死せるキリストの像の変遷。クリヴェッリ2012/11/24
Meroe
0
「死せるキリスト」の図像がビザンティン-中世イタリア-フィレンツェのルネサンス(ドナテルロ)-北イタリア・中部イタリアへつながり、その間に変わっていく様子がよくわかる。2011/06/05
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