感想・レビュー
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茶幸才斎
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幕末から明治・大正の、西洋文明を意識した新しい国づくりを模索し、しかしまだ殺伐とした世情が残る時代における大隈重信(及び関係の深い周辺の人物たち)に関するエピソードを記した本。であるが、なんだか文章が散漫で断片的な記述の寄せ集めのように感じられ、一向に大隈の人物像が具体的に浮かんでこない。賢人なのか、大樹なのか、ただのやんちゃなのか、遺憾なことに判断がつかない。昔の職場に、頭はすこぶる切れるようだが、強引でわがままで、にわかには接しがたいおじさんがいたが、そんな感じにも思える。愛すべき豪傑、と呼ぶべきか。2013/01/11