内容説明
「妖しい」シリーズ第二弾は刀剣の怪綺談ばかりをとりあげてみることにしました。よく知られた刀剣伝説よりも全国各地に散らばる刀に絡む民話が中心です。鬼を滅し、人を斬り、妖獣を斬り、器物の怪を斬り、ついには死病まで退治する、妖しい刀の物語―。当然のことですが、昔も刀に関してはほとんど知識が無い人々もいっぱいいました。夜噺の席の余興と思って刀剣ビギナーの方もどうぞお気楽にお楽しみください。名刀が語り継ぐ怪談・奇談!
目次
第1章 鬼を斬る名刀
第2章 病を断つ刀
第3章 刀鍛冶と磨上げ奇談
第4章 意志を持つ石や瓦
第5章 大蛇・大蜘蛛・鵺を斬る
第6章 怨霊・妖怪に関わる刀
著者等紹介
東郷隆[トウゴウリュウ]
横浜市生まれ。国学院大学卒。同大博物館研究員、編集者を経て、作家に。詳細な時代考証に基づいた歴史小説を執筆し、その博学卓識ぶりはつとに有名。1990年『人造記』等で直木賞候補となり、1994年『大砲松』により吉川英治文学賞新人賞、2004年『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』で新田次郎賞、2012年、『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
4
怪異に纏わる刀のエピソードを集めた一冊。定番の髭切や童子切はもちろん、鵺退治の井早太の刀である骨喰国吉(鵺切り)についてのエピソード、コロリ避けのおものがわなど、ちょっと珍しい 話があったのが印象的。2022/06/17
木倉兵馬
1
刀にまつわる伝説集。特に磨上げ(すりあげ)の話が興味深かった。たとえ名刀で由来も立派だったとしても、自分の使いやすいように短くしてしまう点は、やはり実際に使われていた時代と現代とでは感覚が違うと思った。2022/07/23
ジョバンニ
1
刀剣の色々な妖しい逸話は面白いのだけれど、歴史上の人物の名前が覚えられない私はやや苦心した。そこが得意な人は、さらっと読めて楽しい一冊だと思う。2022/06/10
フィリップ
1
刀にまつわるエピソード短編集。作者も序文で触れているが刀剣の詳しい知識がなくても軽く読めるように編集されている。現存する刀も多く出てくるので展覧会への興味付けにいいと思う。2022/04/06
崎
1
東郷さんの妖しい説話あつめたよ第二弾。刀剣乱舞ブームで刀剣と説話に興味ある人増えてうきうきしている東郷さんの気持ちが伝わってきた。私はおものがわが好きだな…時代も幕末という近代に向かおうという時代に、刀が病を斬る話があってしかも淡い恋物語も入っててすごく良かった。調べても同様の話でてこなかったからこれだけ小説かな?2021/05/18