内容説明
田崎麻子の恋人で、火星の探偵事務所の所長、水沢良行は、ひどく取り乱していた。きけば、20年前に生き別れた実の弟が突然、火星にやってくるのだという。彼の名は、山崎太一郎。さあ、トラブルのはじまり、はじまり―。
著者等紹介
新井素子[アライモトコ]
1960年東京都生まれ。立教大学ドイツ文学科卒業。77年、高校在学中に「あたしの中の…」が第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選し、デビュー。少女作家として注目を集める。「あたし」という女性一人称を用い、口語体で語る独特の文体で、以後多くのSFの傑作を世に送り出している。81年「グリーン・レクイエム」で第12回星雲賞、82年「ネプチューン」で第13回星雲賞受賞。99年『チグリスとユーフラテス』で第20回日本SF大賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
66
図書館本。懐かしいっっあゆみちゃーん!と思いながら読み始めましたが、シリーズ主人公の彼女は出てこず。「星へ行く船」の前日譚でした。若き日の太一郎さんとレイディ、熊さん、中谷くん、水沢所長、そして麻子さん。あゆみちゃんが関わる前の水沢探偵事務所の姿が見えます。麻子さんの「あたくし」一人称から始まるので、かなり独特な文体が更に独特に。続きが読みたいっ!!中巻へgo!2019/11/02
ゆかーん
59
星へ行く船シリーズ番外編。今回は所長の弟が登場する話。弟さんって所長の若い頃そのまんま(笑)思ったままに行動する様子が、やっぱり兄弟だなって思いました。でも今作では、所長が少し大人になっていてビックリ!愛する麻子さんの為に、冷静に考えて行動する姿に、子供だった所長の成長する姿を感じました。そして、麻子さんも、所長のために、色々献身的にサポートしてあげているところが素敵。お互い相思相愛だからこそ、思いやりの気持ちが芽生えているなぁと思いました。中巻でも、2人の仲の良さを存分に味わいたいところです(笑)2019/08/18
えみちゃん
28
去年刊行されていた「星へ行く船」シリーズの前日譚♪この本も実家のどこかにコバルト版があるんだけど、探しに行くのもめんどうだし、なによりも書き下ろしが読みたいから迷わず予約。あぁ~、今回も完全に出版社の戦略にハマっている私。(笑)(*´▽`*)水沢探偵事務所ご一行様がまだ若い⁉(笑)頃のお話です。20年前に生き別れとなっていた実の弟、太一郎さんが母親にひとめ会いたいと火星に訪ねてくるということで、ひどく取り乱す水沢所長と麻子を中心に物語は進みます。(笑)しかし改めて読み返すと誰もかれもやっぱりまんまなのよ。2019/06/07
Imax
20
子供から大人へ、児童書から小説への橋渡しをしてくれたのがコバルト文庫だった。その中でも特に大好きだったこのシリーズ。女の子は女の子でいるだけでいいんだよって肯定してくれ、後悔しないように生きることの大切さを教えてくれた。続編があったことを最近知り、ワクワクしながら読み始めた。この本ではあゆみちゃんではなく麻子さんが目線で物語が進む。少し大人な麻子さん視線ということで、今の年齢でも読みやすかった。太一郎さん、所長にレイディこと真樹ちゃん。懐かしすぎる面々が登場して至福の読書タイムでした。続きが楽しみすぎだ!2019/08/13
Norico
18
星へ行く船、番外編。読んだ記憶なかったので新鮮。あゆみちゃんが来る前の水沢総合事務所。太一郎さんとレイディの出会い。感慨深い。太一郎さんの子ども時代の話が笑える。普通女姉妹に囲まれてたら、女性の扱い上手くなると思うけど(笑)番外編のお澄さんもよい。2021/09/26